補聴器を片耳だけで使っても大丈夫?

両耳装用

「片耳だけで補聴器を装着したい」
「片耳と両耳、どっちが良いの?」


上記のような疑問を、お客様からよく頂きます。

補聴器について調べて見ると、「両耳の装用」を推奨しているサイトがほとんど…。実際に片耳で装用するメリット、デメリットを今ひとつ良くわからないですよね。実は、片耳専用の補聴器があるのはご存知でしたか?

今回、補聴器店のアドバイザーである私が、片耳装用についてメリット、デメリット、効果などを含めて網羅的にご説明します。ここを見て頂ければ、補聴器の効果を最大限に発揮することができますよ。

最初に、両耳装用のメリットについてのご紹介します。

この記事を書いた人
山田 元一(やまだ もとかず きこえのお助け隊
「最近聞こえが悪くなった…」このような悩みをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。しかし、聞こえについて相談できる人や、機会はそう多くないのが現状。これまで補聴器の相談を100件以上承ってきた私が、補聴器や聞こえ全般に関する情報を余すことなくお伝えいたします。



<目次>

  1. 両耳で使用するメリットとは
  2. 補聴器の装用は、片耳と両耳どっちが多い?
  3. 片耳専用の補聴器「クロス」
  4. まとめ

両耳で使用するメリットとは

メリット

結論から申し上げますと、補聴器は左右で使用されることがおすすめです。なぜかと言うと、片耳だけでは耳本来の効果を最大限発揮することができないためです。

そもそも耳は、左右同時に働くことで脳の聞く機能を助け、音がどこから来るのかを聞き分けています。

両耳で聞くことで可聴範囲を広げ、よりバランスのとれた自然な聞こえを聞くことができるのです。


そのため、両耳で補聴器を装用すると、下記のような効果を得られます。

・音の方向感がわかる
・騒音下でも聞き取りやすい
・言葉の聞き取りの改善
・疲れにくい
・耳鳴り抑制

次で、上から順にご紹介します。

音の方向感がわかる

音を両方の耳から拾うことで、方向感や距離感を得ることができます。左右に届いた音の時間差で、方向感を判断します。

方向感がわかるので、車の近づく音やクラクションの方向や距離を気付きやすいのです。方向感がわかると、相手の呼びかけに適切に応答でき、危険回避することにも繋がります。

騒音下でも聞き取りやすい

方向感が分かると、騒音下でも聞き取りやすくなります。方向感を得ることで、必要な音がどこから来ているのかを判断することができるのです。家族団らんの場や、パーティーでも会話が聞き取りやすくなります。

言葉の聞き取りの改善

両耳で、子音を逃がすことなく拾うことができます。基本的に、子音の波長は片耳から片耳までの長さはありません。そのため、左耳から聞いた子音を、右耳で補うことはできないのです。

子音の聞こえが悪いと、しちじ(7時)→いちじ(1時)に聞こえたりと聞き間違いが増えます。両耳で装着すると、子音を適切に捉えることができ、言葉の明瞭度があがります。

疲れにくい

眼鏡でも片目で使用していると、視覚差で疲れてしまいます。補聴器も同様に、左右の聞こえの違いで必要な音を探すのに疲れてしまうのです。補聴器を、両耳で装着すると疲れにくくなります。

耳鳴り抑制

聞こえの悪い方の約9割が耳鳴りを患っていると言われています。そのため、補聴器には耳鳴り対策の機能を搭載している器種が多いです。

耳鳴り機能は、波の音やチャイムを聞いて耳鳴りから意識を逸らします。片耳では、効果的に耳鳴りを遮ることができません。そのため、耳鳴り機能を効果的に使用するためにも両耳での装用がおすすめです。

補聴器を装用すると、上記のようなメリットがあるのですね。実際の聞き取りにも、次のような違いがあります。

片耳


また、耳から入ってきた音は、反対側の脳で処理されています。右耳は言語や論理により反応し、左耳は音楽、感情や直感などに関連することをより受取りやすいとされているのです。

右耳の聞こえが悪い方は、左脳の働きが衰え会話の音などを処理することが苦手になることがあります。脳を衰えさせないためにも、両耳から刺激を与えることが大切です。

このように、補聴器を片耳だけでなく両耳で使用することで耳本来の機能を活かすことができます。しかし、日本では両耳装用の効果がきちんと認知されておらず、片耳で装用している方が多いのが現状…。

実際に、片耳と両耳のどちらの方が利用者の割合が高いかご存知ですか?

次で、片耳装用と両耳装用の割合と、その理由についてご紹介します。

補聴器の装用は、片耳と両耳どっちが多い?

割合

2019年ジャパントラックの調査によると、日本の補聴器利用者は約44%が片耳です!両耳は約56%と僅差の結果になりました。

このように、日本では両耳装用があまり浸透していません。

諸外国と比較すると、次のようになります。

ドイツ  75%
スイス  72%
フランス 70%
イギリス 61%
イタリア 57%

※2015年ジャパントラック調査

ドイツでは、約4分の3が両耳で補聴器を装用しています。世界的に見ると、両耳装用が一般的ということなのですね。諸外国では、両耳装用の効果を深く認識されているのです。

補聴器の片耳利用に、次のような理由が挙げられます。

片耳でも効果が同じだから 34%
もう一方の耳が正常なため 23%
予算の不足 23%
医師の勧め 17%
販売員の勧め 14%
その他 13%

※2019年ジャパントラック調べ

約3分の1の方が、片耳でも効果が同じという認識をしているという結果になりました。

このように、両耳装用の認知度が日本ではまだ低いのです。そのため、補聴器の利用者や、家電製品店のスタッフに片耳装用を勧められるという連鎖が起こります。しかし、重ねて申し上げますが基本的に補聴器は両耳装用の方が効果的です。

また、2位に「片耳が正常のため」が理由に挙げられました。

片方の耳が正常の聴力で、片耳の聞こえが悪い場合は、片耳の装用で両耳のバランスをとることもあります。片耳が軽度難聴で、もう一方の耳が中等度難聴の場合、中等度難聴の方に補聴器を装着して聞こえのバランスを取るのです。

このように、適応難聴によって片耳だけの装用でも良い場合があります。片耳装用は、医師の診断に従って選ぶことが大切。基本的には、よほど左右の聴力差がない限りは両耳装用を勧められることがほとんどです。

しかし、左右で装着するとどうしても値段が気になるところ…。「片耳装用」する理由の第3位にも、予算の不足が挙げられています。勿論、1台よりも2台購入する方がどうしても高い金額になります。

ただ、多くのメーカーで両耳割引があります。片耳の約1.5倍から1.7倍の金額で、両耳の補聴器を購入することができるのです。両耳割引は、耳かけ型やオーダーメイドで提供される耳あな型に対応されています。

価格のことで悩まれている方は、片耳の金額を下げてでも両耳で購入されることをおすすめします。

とはいえ、中には両耳装用に適さない難聴の方もいらっしゃいます。そのような難聴の方に、片耳で装用する「クロス」と呼ばれる補聴器があります。

次に、クロスについてご紹介します。

片耳専用の補聴器「クロス」

クロス

クロスは、片耳が高度・重度難聴に使用される補聴器です。片耳だけの難聴は「一側性難聴」と呼ばれ、先天性と後天性があります。

先天性は、片耳が通常に聞こえることから発覚が遅くなり、子供の場合学校の定期健診などで発覚することもあるのです。後天性の場合、おたふくかぜ(ムンプス)などが原因で発症することがあります。

このような、片耳がほとんど聞こえないという方に使用されるのが「クロス」です。クロスは、マイクと補聴器を装着することが特徴。聞こえない耳にマイクをつけ、もう一方に補聴器を装着します。

仕組みとしては、聞こえない方の音をマイクで拾い、聞こえるほうの補聴器に飛ばすのです。マイクで飛ばすことで、左右の音を片耳で聞くことができます。

聞こえない方向の音をカバーすることが可能。補聴器の音が増幅した音が拾うことができない程の聴力であった場合、片耳用の補聴器クロスの装着がおすすめです。


以上、補聴器の片耳装用についてご紹介しました。

最後に今までの内容を踏まえて、補聴器の片耳装用をするメリットデメリットを簡単に振り返りましょう。

まとめ

まとめ

ここまでのポイントを抑えた、メリットデメリットは次の通りです。

※スマホの方は横にスクロールできます。

メリット 補聴器の購入価格が軽減される
アフターケア(電池代など)の費用も片耳だけで良い
初めて使用する時に感じる、耳や音の違和感が片耳だけで良い
デメリット 音の方向感がわかりにくい
騒音下の聞き取りがしにくい
音が入らないことで脳が衰えることがある
疲れにくい、など


補聴器の片耳装用には、上記のようなメリット・デメリットがあります。

上記のポイントを抑えて頂くと、補聴器の効果を最大限発揮して頂くことができます。

しかし難聴によっては、片耳だけの装用で良い場合や、クロス補聴器を勧められることもあります。補聴器の有効性を判断して貰うためにも、購入前は医師の診断がおすすめです。

当記事が、あなたの補聴器選びの参考になれば幸いです。

参考文献・資料
2019年版よくわかる補聴器選び
一般社団法人 日本補聴器工業会レポート

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