補聴器の普及率

現在日本国内にはどのくらい補聴器を必要としている難聴の方がいて、実際には補聴器を使っている方は何人くらいなのか?つまり日本国内での補聴器の普及率はどのくらいなのか?また、世界中で比べた場合は日本の普及率は高いのでしょうか?

ここでは、現時点で最新といわれている一般社団法人日本補聴器工業会の統計データをもとにお答えしていきます。

日本と海外主要国の自己申告による難聴者率(聞こえの不都合を自覚している比率)
(JapanTrak2015より)

  • ドイツ 12.1%(WHO世界保健統計2016年版で換算すると約976万人)
  • 日本 11.3%(WHO世界保健統計2016年版で換算すると約1430万人)
  • アメリカ 10.6%(WHO世界保健統計2016年版で換算すると約3411万人)
  • イギリス 9.7%(WHO世界保健統計2016年版で換算すると約602万人)
  • フランス 9.3%(WHO世界保健統計2016年版で換算すると約599万人)

人口の違いはありますが、比率的には皆さんが想像しやすい海外の主要国とは大きな差は見られず概ね総人口に対して10%前後です。

日本と海外主要国の自己申告による難聴者の補聴器使用率(JapTrak2015より)

  • イギリス 42.4%(自己申告による難聴者人口から換算すると約255万人)
  • ドイツ 34.9%(自己申告による難聴者人口から換算すると約341万人)
  • フランス 34.1%(自己申告による難聴者人口から換算すると約204万人)
  • アメリカ 30.2%(自己申告による難聴者人口から換算すると約1030万人)
  • 日本 13.5%(自己申告による難聴者人口から換算すると約193万人)

使用率に関しては他の海外主要国が30%以上なのに対して日本は13.5%と使用率が半分以下と大きな格差があるのが現状です。

このように、日本での補聴器の普及率は世界中で比べてもとても低いことが日本の補聴器業界の課題になっています。

日本の補聴器の普及率改善のために

日本では、どうして補聴器の普及率にこのような格差が生じているのでしょうか?

大きな要因の一つとしては補聴器自体のイメージや業界を含めた補聴器に対しての理解の低さがあるといわれています。

欧米諸国では福祉制度も充実しており、国家や医療機関などが連携して難聴者一人一人が「適切な補聴器」を購入できる環境が整っています。それに対して日本では補聴器の販売に公的な資格もなく、届出と営業管理者を置けば広告や」通信販売などでも、カウンセリングや難聴者の聴力に関係なく値段やキャッチコピーで「安易に」補聴器を購入する場合が多いのが現状です。その結果、購入した補聴器が「合わない」場合が多く自分には、(他の全ての)補聴器というものは合わないと誤解して使わなくなっている方も多いといわれています。

また、本来であれば補聴器は難聴者の聞こえを補うものであって、難聴を治す訳ではありませんし、補聴器の購入後もきちんと点検や調整を続けていくことで使い慣らしていくことが重要で、それによって本来の補聴器の役割が発揮できるといわれています。

これに対しても、残念ながら「補聴器を買えば直ぐに普通に聞こえるようになる」「補聴器は買ってしまえばずっと使える」というイメージを持っている方が多く、現実との隔たりが大きい場合があります。

日本でも海外主要国でも同じ補聴器メーカーの補聴器が流通しているにもかかわらず前述のように補聴器に対してのイメージが先行していることで海外主要国にくらべて補聴器の使用満足度が半分以下になっているという結果も統計で報告されています。

補聴器業界総ぐるみで正しい情報発信と補聴器への積極的な理解のしくみの確立

現在、日本の補聴器の普及率を高めるために、国内の補聴器業界でも改善に向けて様々な団体が取り組んでいます。今後ますます増加傾向にある高齢化に伴う難聴者に対して、「補聴器とはどういうもので、購入にあたってどんなことが大切なのか?」正しい情報の発信と安心して「適切な補聴器」を購入できる環境づくりが急務であると考えられます。

また、補聴器を購入する前に事前にきちんと情報収集をしておくことで「適切な補聴器」と巡り合いやすく、国や自治体独自の支援法に基づく公的補助を受けられる場合があります。

「聞こえにくくなって来たけどまだ大丈夫」と我慢するよりも、早期の補聴器の使用で聞こえを改善することは、本人はもちろんのこと家族や友人など周りの人たちに対しても生活の質を上げることに繋がるといわれています。

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