高齢者の方が補聴器を嫌がる理由と説得方法 難聴は本人だけの問題ではありません。周囲の人にも少なからず影響を与えます。
聞き返されたり内容がきちんと伝わらなかったりと体力を使うからです。 とはいえ、補聴器を薦めてみても本人は嫌がって話を聞いて貰えないことはよくあります。
なぜ、本人も聞こえににくいはずなのに補聴器をつけてくれないのでしょうか?
今回、認定補聴器技能者である私が、補聴器を嫌がる理由と説得方法についてご紹介します。
そもそもなんで補聴器を嫌がるの?
次は日本補聴器工業会が発表した「補聴器を使わない理由のトップ10」です。
1位:わずらわしい
2位:補聴器を使用しても元のきこえに戻らない
3位:難聴がそれほど酷くない
4位:ほとんどの場所でよく聴くことができる
5位:補聴器は騒音下では役にたたない
6位:低音の人の声が聞こえにくいだけ
7位:補聴器を装用することが恥ずかしい
8位:高音の人に声がきこえにくいだけ
9位:補聴器を購入する経済的余裕がない
10位:片耳は聞こえているから
ネガティブな理由だけでなく、補聴器自体の性能に疑問があるといった声もありますね。TOP10をさらに補聴器の性能、金額的負担などに分けると次の5つになります。
・補聴器の装着や手入れを面倒に思っている。
・補聴器の効果に対して疑問に思っている。
・補聴器を装着するほど聞こえに困っていない。
・補聴器を装着が恥ずかしい。
・補聴器の値段に抵抗がある。
次で上から順に詳細と説得方法についてご説明します。
補聴器の操作や手入れを面倒に思っている
補聴器を使用すると装着や電池交換などの手間がどうしても増えます。特にご高齢の方は小さい機械の取り扱いは難しく億劫なもの。そんな思いをするなら補聴器は不要と思われている方も多いです。
補聴器の操作や手入れを面倒に思っている人の説得方法は?
わずらわしさを減らすと装着のハードルも下がります。最近ではケースから取り出せば自動でスイッチが入る充電式補聴器もあり、操作や手入れの負担を軽減できるのでおすすめです。また、電池交換は家族が行うなど周囲のサポートも説得には大切です。
手入れが少ないおすすめ補聴器
siginia Active
難聴程度:軽度、中度
形状:耳あな型(充電)
片耳:オープン価格
シグニア アクティブはまるでワイヤレスイヤフォン、スタイリッシュなデザインです。充電式だから電池交換の必要がなく、電源のオンオフもケースから出し入れするだけ。簡単な補聴器を希望する方におすすめの一台です。
補聴器の効果に疑問がある
補聴器の効果に不安があるケースです。補聴器の性能が飛躍的に向上したのは平成初期からの話で、それまで使用されていたアナログ補聴器を想像していると効果に懐疑的な方も多いです。
補聴器の効果に疑問がある人の説得方法は?
補聴器の性能が向上したことを説明し、お試しされることをおすすめします。補聴器メーカーのシグニアが自社製品の聞き取り調査を行ったところ、騒音下の環境では健聴者より補聴器装用者の方が聞き取りされていたというデータもあります。
実際に一世代前の補聴器と比べて飛躍的に性能が向上しているのです。
補聴器を装着するほど聞こえに困っていない
本人は聞こえに困っていない場合です。聴力は30代からゆるやかに低下していくので本人は気付きにくいです。また周囲が注意して喋ることで自覚が遅れることがあります。
補聴器を装着するほど聞こえに困っていない人の説得方法は?
本人に自覚して頂くことが大切です。率直に伝えれば良いですが、デリケートな聞こえの問題は言いにくいもの。
テレビの音を〇〇以上にするとお隣さんに聞こえるから注意してね、体温計が鳴ったら教えてね、と遠回しに伝えることで自覚のきっかけになります。
補聴器をつけていると思われたくない
補聴器をつけていることを知られたくない、という方は多いです。補聴器=老化現象や病気という認識が根強いためですね。年齢を重ねるにつれて聞こえが悪くなるのは普通のことですが、当事者はやはり装着に抵抗があります。
補聴器をつけていると思われたくない人の説得方法は?
小型な補聴器やデザイン性に優れた器種をおすすめして下さい。最近の補聴器は非常に小型で目立ちにくいです。小型な器種は耳のヘリや耳穴に隠れてしまうので意識的に見ないと補聴器の存在がわかりません。
また、近年はワイヤレスイヤホンの普及で、老若男女問わず耳に何か入れてる状態は珍しくなくなりました。ワイヤレスイヤホンと同形状の補聴器もあり、そちらもおすすめです。
おしゃれな補聴器
STYLETTO 3X
難聴程度:軽度、中度、高度
形状:耳かけ型(充電)
片耳:294,000円~
STYLETTO 3Xは優れたデザインと高度な機能面をあわせもつ一台。 Xシリーズの特徴であるXセンサーを搭載している本器は「周りの環境」と「使用者の動き」を100シーンから自動対応します。 あらゆる場面で、どのような動きをしていても一番ベストな聞こえを届けます。
補聴器の値段に抵抗がある
補聴器の値段で難色を示しているケースです。補聴器は安いもので5万円、高い器種は70万円ほどします。特に初めての補聴器の場合、費用に見合った効果かわからず支出をためらいます。
補聴器の値段に抵抗がある人の説得方法は?
補聴器の値段で装用を諦めている場合、リースの補聴器を借りる、国や自治体の助成金制度で購入するなどで解決することがあります。リースは月額3000円で補聴器を借りることができるサービスです。
助成金は自治体独自で行っている補聴器を支給または購入代金の一部を負担する制度です。リースや助成金の利用で初期費用を抑えることができます。
助成金は未実施の場合もありますので、お住まいの自治体に直接お尋ねください。
最後に
なぜ補聴器の装用が嫌なのか、その気持ちにより添いながら上記の言葉で説得して頂ければ幸いです。