「補聴器 おすすめ」と検索をかけると、多くの通販サイトが出てきます。おすすめの器種は評価が高い順に並び替えれば良いだけで簡単。加えてレビューを参考にすれば、体験談なども載っており大変便利です。
通販サイトだけで失敗しない補聴器選びができるように思いますよね。さて、レビューを書いた人とあなたは同じ聴力でしょうか?
今回ここでは、補聴器販売店のスタッフである私が、失敗しない補聴器選びについて、買う場所、メーカー、値段、目立ちにくさといったことまで網羅的にご紹介します。
<目次>
- 通販で購入するのはおすすめしません
- 評判の良い補聴器メーカーは6社知っておけば大丈夫!
- 補聴器の値段や種類、補助金があるって本当?
- 小さいだけで選ばないで!目立たない補聴器について
- まとめ
- 補聴器の購入はきこえのお助け隊がおすすめです
最終更新日:2024年7月23日
補聴器を通販で購入するのはおすすめしません
ここを見て頂いている方の中には、通販で補聴器を購入しようと考えられている方も多いのではないでしょうか?
初めての補聴器は「専門店で購入」することがおすすめです。その理由を次から段階を追ってご説明します。
高齢者の難聴は「集音器ではなく補聴器」を購入すべし
高齢者のおすすめの補聴器は「補聴器」を購入することです。「なにを当たり前のことを」と笑われてしまうかもしれませんが、補聴器と集音器の違いを説明できる方は意外と少ないです。
まず補聴器は医療機器、集音器は音響機器です。補聴器といった商品名も医療機器の認可がなければ使用できません。聴器は販売に様々な制約があることから、通販の多くは集音器であることは知っていましたか?
なぜ、高齢者の難聴に補聴器が有効かと言うと、加齢性難聴は高音域の音が聞こえにくいといった特徴があるためです。
そのような聞こえには、一人ひとりの聞こえに合わせて調整できる補聴器が有効になります。
補聴器と集音器の違いを挙げていくときりがありませんので、ここでは「補聴器は個人、集音器は多数の聞こえ」ということを紹介するにとどめておきます。
「安価で手軽」で購入できるのが集音器の魅力ですが、初めての補聴器選びで失敗したくないのであれば「安定した聞こえを望める堅実な補聴器」を購入することをおすすめします。
補聴器購入前に病院に行く必要はないが行っておくと安心
「補聴器=医療機器」なら、病院で補聴器を購入できたり、コンタクト同様に処方箋が必要だったりするのではないかと聞かれますが、基本的に病院では補聴器は販売しておりませんし、コンタクトのように処方箋は必要ではありません。ただ、補聴器購入前に病院にかかるのはおすすめです。
難聴にはいくつか種類があって中耳炎や耳垢詰まりで発症している場合、手術や薬で治療できます。このように病院では本当に補聴器が有効な難聴かを診断して貰えるのです。
病院は耳鼻科や耳鼻咽喉科に行ってください。また、補聴器を国の制度や自治体の助成金を利用して購入するなら事前診断は必須です。
この場合、自治体が病院を指定していることがありますので各自治体にお問い合せください。
販売店は「補聴器専門店」を選ぶのがベター
補聴器の性能を生かすのも殺すのも販売店です。
フィッティングソフトに従えば標準的な調整はできますが「会話を円滑にしたい」「テレビの音を聞きたい」などの個人の要望に沿えるかはスタッフの力量次第です。
いきなり突き放すようで恐縮ですが、ここは運任せです。
ただ、良い補聴器店に出会う確率をあげるおすすめの方法はあります。 それは補聴器専門店を選ぶことです。
補聴器を販売しているお店はメガネ店や通販など様々ありますが、補聴器は補聴器専門店をおすすめします。
実際に聴器専門店で購入するのが一番使用後の満足度が高いというデータから専門店の実力がいかに高いかがわかります。
評判の良い補聴器メーカーは6社知っておけば大丈夫!
さてあなたが補聴器専門店に入ると、スタッフがいくつかの補聴器メーカーのカタログを持ってきます。
はじめて補聴器を購入しようとしているあなた。きっと聞いたこともないメーカーばかりで不安に感じるかもしれません。
でも不安を感じる必要はありません、なぜなら世間で流通している約9割の補聴器はたったの6社から作られた製品だからです。
評判の良いおすすめの補聴器メーカーは?
「評判の良い補聴器メーカーは?」と尋ねられると、シグニア、GNリサウンド、フォナック、オーティコン、ワイデックス、スターキーを挙げます。世界で流通している約9割の補聴器がこれらのメーカーだからです。
「流通数=評判が良い」ではないだろうと考えられるかもしれません。しかし、有名なメーカーほど開発資金が潤沢であり、補聴器使用者の意見が集まりやすく改良からリリースまでが短い期間でできます。
事実、近年蔓延するウイルスの影響でマスクの着用や非接触を世界中で求められたときに、“マスク越しでも聞き取りやすいプログラム”や“マスクの邪魔にならない耳穴型充電式補聴器”、“リモートフィッティング(遠隔調整)”を先駆けて開発したのは6大補聴器メーカーです。
日本製の補聴器を購入したい方は
しかし、残念ながら6大補聴器メーカー全て海外メーカーで日本メーカーはありません。
近年の国勢を考慮して日本製品を購入したいという方もいらっしゃるでしょう。
日本メーカーであれば、コルチトーン、パナソニック、マキチエ、リオネットを挙げます。
その中でも評判の良い補聴器メーカーはリオネットでしょう。国内シェアNO1、国内シェア率約20%、国産補聴器を牽引するメーカーです。
迷ったなら海外製の補聴器がおすすめ!
とはいえ、やっぱり世界的にみると外国製の補聴器が主流です。
メーカー | 国 |
ソノヴァ(フォナック) | スイス |
デマンド(オーティコン) | デンマーク |
シバントス/ワイデックス(シグニア/ワイデックス) | ドイツ/デンマーク |
GNリサウンド(GNリサウンド) | デンマーク |
スターキー(スターキー) | アメリカ |
その他 | - |
日本製も海外製でも値段に大きな違いはありません。
耳かけ型の価格 | 耳あな型の価格 | |
海外メーカー | 5万円~6万円 | 9.5万円~66万円 |
日本メーカー | 4.5万円~58万円 | 4.9万円~56万円 |
日本製品にこだわらないのであれば、補聴器6大メーカーがおすすめです。
補聴器の値段や種類、補助金があるって本当?
さてスタッフが持ってきたカタログを見てみると値段に驚くでしょう。補聴器の値段は約5万円から約60万円。差額55万円です。
「高価な器種が良いのはわかるが高すぎる。安い補聴器はなんとなく不安」そんなことを考えながらカタログをめくっていると、スタッフが奥から片耳30万円の耳かけ型補聴器を持ってきます。
「ああ、これが標準的な補聴器だろうな」 あなたは極端性の回避の法則から中間30万円の補聴器を標準だと思いこみます。
でも、本当に30万円の耳かけ型補聴器が標準なのでしょうか?
補聴器の種類は耳かけ型と耳あな型が一般的
補聴器は形状別に、耳かけ型、耳あな型、ポケット型、骨伝導型の4種類に分けられます。基本的に選ぶ補聴器の形状は、使用性と性能面から言って耳かけ型または耳あな型がおすすめです。
実際に2018年日本補聴器工業会が行った調査でも出荷台数の約96%が耳かけ型と耳あな型という結果に。そのうち約66%が耳かけ型なので、耳かけ型がもっとも主流な形状と言えるでしょう。
ただ、ポケット型や骨伝導が駄目という訳ではなく、ポケット型は操作が難しい方に、骨伝導型は伝音性難聴の方におすすめの補聴器ではあります。使用者が限られているので必然的に供給数も少ないのですね。
下記の表にそれぞれの特徴をまとめましたので、参考にしてください。
※スマホの方は横にスクロールできます。
画像 | 種類 | 難聴程度 | 値段 | 長所 | 短所 |
耳かけ型 | 軽度~重度 | 約5万円~約60万円 | 音の調整力が高い 重度の難聴にも対応 |
やや目立つ 眼鏡の邪魔になる |
|
耳あな型 | 軽度~重度 | 約6万円~約60万円 | 目立ちにくい 眼鏡を頻繁に付け外しする人 |
ハウリングが起きやすい | |
ポケット型 | 中等度~高度 | 約3万円~約13万円 | 操作が簡単 大きな音が出せる |
目立つ コードが邪魔になる |
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骨伝導型 | 軽度~中等度 | 約18万円~約24万円 | 伝音性難聴に効果的 耳をふさがない |
感音性難聴に不向き 重度の難聴には対応できない |
※補聴器は非課税です。
安い補聴器と高い補聴器の違い
片耳30万円は標準クラスに近い高価な補聴器です。静かな環境でも街中でもあらゆる音環境に対応するので使用者は聞こえに違和感を覚えることなく快適に過ごすことができます。
具体的に安い補聴器と高い補聴器の違いはなんであるかというと搭載されている機能の差。高価な補聴器ほど雑音の抑制が高く、すっきりした聞こえです。
周囲の音環境を分析する機能も高度で、静かな環境からうるさい環境に移動しても自動で切り替わったりするなど、常に使用者が聞こえに違和感なく過ごせます。
値段別のおすすめする人
値段 | 補聴器の性能 | おすすめする人 |
10万円前後 | シンプルな機能 | あまり騒がしい場所に頻繁に行かない人 会議など補聴器を使用する場面が決まっている人 |
20万円前後 | 一般的な機能を標準装備 | 初めて補聴器を使用する人 日中の大半を補聴器で過ごすことを考えている人 |
30万円以上 | 高度な音の調整機能を搭載 | 補聴器の高性能な機能が必要とする人 アクティブに日常を過ごす人、煩わしい補聴器の操作が嫌な人 |
シグニアが販売している器種を例に機能と生活、金額を比例した図が下記です。
補聴器の補助金制度は把握しておくべし
補聴器に関する補助金は「障害者総合支援法による補装具費支給制度」と「自治体独自の補助金制度」、補聴器購入を利用した節税方法として「医療費控除」があります。全ての人が利用できる制度ではありませんが、条件を満たせば金額的負担を減らせますので把握しておきましょう。
障害者総合支援法による補装具費支給制度とは、障害者総合支援法の下に補聴器購入費用を支給する制度です。障害者手帳を取得していることを前提に補装具費支給制度の条件を満たせば必ず支給されます。しかし規定聴力が高度難聴以上と支給条件が厳しい制度です。
自治体独自の補助金制度とは、各自治体が住民の補聴器購入費を補助金として支援する制度です。障害者総合支援法に該当しない軽中等度難聴の方を対象にしていることが多く、障害者総合支援法と比べて支給条件は優しいですが、自治体によっては補助金制度自体がありません。
医療費控除とは、支払った医療費に応じて税金を計算し直す制度です。会社員であれば所得税の還付、個人事業主であれば節税効果があります。いままで補聴器が医療費控除の対象であるかは不透明でしたが、2018年から正式に認められました。補聴器の医療費控除には「医師の診察に補聴器が必要な人」が条件なので、まずは補聴器相談医の診断が必要です。
公的制度は公的機関にお尋ね頂くのが円滑かつ正確です。補助金は自治体に、医療費控除については税務署にお問合せください。
小さいだけで選ばないで!目立たない補聴器について
予算が決まるとカタログから「なるべく小さい補聴器」探します。または実際の使用者である家族から小さい器種が良いと耳打ちされるかもしれません。 お客様の要望で最も多いのが目立たたない補聴器。
補聴器を嫌がる理由7位にランクインするほど補聴器が目立たないことは重要なのです。
ただ、小さいだけで補聴器を選んでしまうと、実際の聞こえに支障をきたすことがあるので注意が必要です。
難聴に対応できれば小さい補聴器でもOK
結論、一番目立たない補聴器はスターキーのオトレンズです。オトレンズは補聴器の形状でもっとも小さいIICをさらに改良した補聴器です。目立たなさでは文句なしのナンバーワン。
とはいえ、ここまで小さい補聴器は重度難聴に対応していなかったり、装着に手先の器用さが求められたり、搭載できる機能に制限があったりします。
これはオトレンズに限らず全ての小さい補聴器に言えることです。聴力に対応していれば問題ありませんが、小ささだけで補聴器を選ぶのはおすすめしません。
最近の耳かけ型は耳の裏に隠れる
最近では耳かけ型も随分と小型です。基本的に装着すると耳のへりに隠れてしまい、正面、横からであればほとんど補聴器が目立ちません。
髪の毛が長い方であれば本体が隠れてしまうので、耳穴型よりも気付かれにくいともいえます。
耳かけ型であれば本体にスペースもあるため出力も出せますし、様々な機能を搭載することもできるので万人におすすめできます。
あえて見せるおしゃれな補聴器も人気
最近ではメーカーの「補聴器は隠すものから見せるものへ」といった風潮からおしゃれな器種も増えてきました。
おしゃれな補聴器も “目立ちにくいとおしゃれ”を両立した器種と“あえて見せるおしゃれな器種”の2種類あります。
目立ちにくいお洒落の代表器種はシグニアのスタイレットです。スタイレットは基本的に耳のへりに隠れてしまうので補聴器の装用を気付かれません。
STYLETTO
難聴程度:軽度、中度、高度
形状:耳かけ型(充電)
片耳:260,000円~
STYLETTO は優れたデザインと高度な機能面をあわせもつ一台。 最新のXシリーズはXセンサーで「周りの環境」と「使用者の動き」を100シーンから自動対応します。 あらゆる場面で、どのような動きをしていてもベストな聞こえを届けてくれるのがスタイレットです。
近年ではワイヤスイヤホンの普及に伴い、老若男女問わず耳に何かいれている状態は珍しくなくなりました。シグニアアクティブは補聴器でありながらワイヤレスイヤホンに良く似たおしゃれな補聴器です。
siginia Active
難聴程度:軽度、中度
形状:耳あな型(充電)
片耳:オープン価格
シグニア アクティブはまるでワイヤレスイヤホン、スタイリッシュなデザインです。聴力に合わせて周波数帯ごとに音を細かく調整し、ノイズカット、50シーン対応の自動環境認識など、様々な機能であなたの聞こえに最適な音声処理をして、あなたの聞こえをサポートします。
まとめ
以上、おすすめの補聴器の選び方についてご説明しました。ここまでのポイントを次で簡単に振り返ってみましょう。
・補聴器と記載された商品を選ぶことがおすすめ
・事前に耳鼻科の受診が推奨される
・補聴器専門店で購入するのが満足度の高い
・メーカー選びは6大補聴器メーカーが鉄板
・値段と性能は比例するので使用者の生活に合わせて選ぶ
・小さいだけが目立ちにくいポイントではない
補聴器の購入はきこえのお助け隊がおすすめです
弊社は※全国対応の訪問専門の補聴器店です。10年以上の補聴器を販売してきた歴史と累計販売台数10万台の実績があります。
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※北海道・沖縄・離島は対象外