補聴器は、安い器種は約5万円から高い器種で約60万円ということはご存知ですか?
「音を出すだけ何故そんなに高いのか?」
「価格の差は何なのか?」
今まで補聴器に縁がなければ、高い価格に疑問を持たれている方も多いかと思います。支払う金額に見合った効果や機能があるか不安ですよね。
実は、補聴器が高い価格で販売されているのには聞こえの改善のためです。高い価格に見合った機能やアフターケア代が含まれています。
今回、認定補聴器技能者である私が、高いと思われがちな補聴器の価格について徹底解説。ここを見て頂くと、補聴器を納得した価格で購入することができますよ。
最初に、補聴器の価格について改めてご説明させて頂きます。
<目次>
補聴器が高い理由
補聴器が高い理由を、大きく次の2ステップにわけてご説明します。
・本体が高い3つの理由
・安い器種、高い器種
最初に補聴器本体が高い理由についてご説明させて頂きます。その後に、5万円から60万円という器種の価格差についてです。ステップを踏むと、補聴器の価格が高い理由を把握しやすいですよ。
最初に、本体の価格が高い3つの理由をご説明します。
本体が高い3つの理由
補聴器本体が高い価格で販売されている理由には、次の3つが挙げられます。
・難聴者の聞こえを改善するため
・小型な部品が使われているため
・アフターサービス代が含まれているため
次で、上から順に詳しくご説明します。
難聴者の聞こえを改善するため
補聴器が高い価格で販売されている理由には、難聴者の聞こえを改善する機能が搭載しているためです。
補聴器が聞こえを改善するなんてことは当たり前のように感じられるかもしれませんが、聞こえが悪いというのは単純に音を大きくすれば聞こえるようになるわけではありません。使用者が聞こえにくい特定の音域を増幅する必要があるのです。
例えば加齢による難聴は、次のような聞こえに特徴があります。
・言葉の聞き間違い多い
・音は聞こえるが何を言っているのかよくわからない
上記のような聞こえの問題は、高音域が聞こえにくいことが原因で発症する加齢性難聴に多いです。高音域が聞こえにくくなるメカニズムは下記の記事をどうぞ!
☞加齢性難聴の原因について
高い音が聞き取りにくいとチャイム音だけでなく、言葉の聞き間違いが増えます。さしすせそなどから始まる子音が高音域に該当するためです。
佐藤さんが加藤さんに聞こえたりするのは子音が聞こえにくいことが原因。また、このような聞こえにくい状況が続くと入ってきた音が何であるか脳の判断も鈍くなります。音は聞こえるが何を言っているのかよくわからないなんていう状況に繋がるのです。
補聴器には、このような特定の音域の聞こえを改善できる機能を搭載しています。入ってきた音を分析、特定の音域だけを増幅するという処理することができるのです。補聴器が高い価格で販売されているのはここにあります。
実際に、補聴器の効果は国に管理医療機器として認められています。管理医療機器とは「人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている器械器具等(再生医療等製品を除く。)」のことです。つまり、人体に影響を及ぼすことを目的に製造された医療機器。
人体に影響を及ばすことから、管理医療機器の認可には音の出力制限や補聴効果などのテストがあります。厳しいテストにクリアした補聴器が管理医療機器の認可が下りるのです。
補聴器という名称も管理医療機器でなければ使用することができません。管理医療機器のない機器は、集音器や助聴器などと呼ばれます。
そして、大手メーカーの補聴器には耳鳴り抑制機能を搭載していることがあります。なぜかと言うと、聞こえの悪い方の約9割の方が耳鳴りを患っているというデータがあるためです。
きこえの悪い方が快適に日常生活を過ごせるように耳鳴り抑制プログラムを搭載しています。さざ波やノイズ音を補聴器から聞けるように設定し耳鳴りから意識を逸らします。
特に、シグニア社の補聴器には耳鳴り抑制に特化したTRTというプログラムを搭載しています。TRTは、8割の方が効果があったと報告している耳鳴り治療音です。耳鼻科の診療とTRT機能を合わせて効果的に耳鳴りを抑制します。
このように補聴器には、使用者が快適に聞こえる生活を過ごせるように設計されているから価格が高いのですね。日常を快適に過ごすためにも、高い価格でも管理医療機器である補聴器の購入をおすすめします。
小型な部品が使われているため
補聴器の価格が高い理由は、使用されている部品が小型で高性能のためです。補聴器は、一日の大半を耳に装着します。小型でなければ耳が疲れてしまったり痛くなったりするのです。
そして、各部品はあらゆる湿度や温度、使用環境でも作動するように設計。家からアウトドアに出かける際、環境が変わって急に音が聞こえないなどの事態を避けます。
また、最新の補聴器は湿気で錆びにくい部品を使用しています。本体に隙間やヒビから湿気が内部に浸入しても錆びによって故障しにくいのです。
部品は、レシーバーやアンプ、マイク、チップなどの様々。修理用パーツにはなりますが、補聴器のレシーバーひとつで約1万円します。両耳にすると2万円です。このような小型で高機能な部品が使用されているため、補聴器は高い価格になるのです。
高い部品を使うことは、あらゆる環境下でも音を聞くためにとても大切なことです。購入した補聴器に雑音が多くて聞こえない、すぐに故障してしまったなどの事態を避けるためにも性能の良い補聴器の購入をおすすめします。
アフターサービスが含まれているため
「難聴者のきこえを改善するため」でもご説明させて頂きましたが、補聴器は調整を行うことを前提に製造されています。一人ひとりの聞こえに合わせるためです。補聴器の価格の中には、このような調整にかかる技術料や人権費が含まれています。
補聴器の調整や点検は購入時の一度だけでなく定期的に必要です。聴力は有毛細胞の減少とともに低下していくので、変化した聴力に再調整する必要があるのです。大幅に低下しない限りは、買い替える必要はなく使用している補聴器を再調整することで聞こえの良い音を聞くことができます。
また、調整と同時に点検・清掃も販売店にしてもらうことができます。ほこりや耳垢などが付着していないか確認します。
耳垢やほこりで音の出口を塞いでしまうと、こもり感を感じることがあるためです。補聴器の点検と調整は、きこえの良い音を聞くためにはとても大切なこと。調整や点検は2ヶ月に1度がおすすめです。
このような調整や点検・清掃は、購入した店舗では基本的に無料。補聴器の価格設定の中には、調整や点検代を含んでいるから高いのです。購入店舗以外に、調整や点検を依頼した場合は約3000円前後必要なことがあるのですよ。
逆に言えば、補聴器の本体価格に含まれるほど調整と点検は大切なことです。継続的に、聞こえの良い音を聞くためにもきちんと調整と点検が価格に含まれている補聴器を購入しましょう。
以上、補聴器本体の価格が高い理由でした。補聴器の価格が高い理由には、アフターケアにかかる人権費と部品代含まれているからなのですね。価格にとらわれず、自分が納得した聞こえの補聴器を購入しましょう。
ただ、補聴器の価格も約5万円から約60万円と様々。高い補聴器の性能が良いのはわかるけど、具体的に安価な器種と何が違うのか把握しておくことが大切です。
きちんと把握しておかないと、雑音をうるさく感じて補聴器の使用をやめてしまうかもしれません。
そこで次に、補聴器の性能について詳しくご紹介させて頂きます。
価格が高い器種と安い器種の違い
基本的に、高い補聴器ほど高性能で豊富な機能が搭載しています。器種自体の価格差について次のステップに分けてご紹介。
・そもそも補聴器の相場は?
・安い器種と高い器種の違い
・おすすめの買い方
そもそも、相場を把握しておかなければ購入を検討している補聴器が高いのか安いのかというのは判断できないですよね。そこで最初に、補聴器の相場についてのご説明です。
そもそも相場の補聴器は?
安い補聴器は約5万円、高い器種は約60万円になる補聴器。※2018年の日本ジャパントラックの調査によると、補聴器の平均購入金額は片耳約15万円という結果でした。
補聴器の相場は15万円ということです。相場から補聴器の価格は下記のように考えられます。
・15万円前後→標準的な補聴器
・20万円以上→高い価格の補聴器
上記を念頭にいれておくと補聴器を選びやすいですよ。補聴器の相場を把握して頂けところで、次は補聴器の性能についてご説明します。支出する金額に見合う性能を搭載しているのか次で詳しく把握しましょう。
安い器種と高い器種の違い
補聴器の性能は、アナログからデジタル進化を遂げることで劇的に発展しました。アナログ信号は入ってきた音を波で処理します。
そのため、単純な音の増幅のみしか行えませんでしたが、デジタル進化をすることで多くの機能を搭載することができたのです。
そして、メーカーごとに独自の音の処理方法を確立。多くの機能を搭載している器種ほど高い価格で販売されています。
今回は、弊社が取り扱いをしているシーメンス・GNリサウンドの2社を例に金額別機能を下記で表にしました。
表では記載していませんが、高い価格の補聴器は、安い価格の補聴器を搭載しています。
※スマホの方は横にスクロールできます。
GNリサウンド | ||
リサウンド・エンヤ2 | リサウンド・リンクス3D 4 | リサウンド・リンクス クアトロ9 |
価格:68,000円~ | 価格:160,000円~ | 価格:510,000円~ |
▼ハウリング抑制機能 ピーピー音と反対の波を当てハウリングカット ▼雑音抑制機能 雑音と音声を区別して、雑音のみを抑制 ▼指向性混合率 高音域低音域で音声処理を変えることで、自然な聞き取りを再現 ▼環境適応型指向性 後方と側面からの音を抑制し、前方の会話に集中。音の動きにも対応。 ▼固定型指向性 後方と側面からの音を抑制し、前方の会話に集中 |
▼サウンドシェーバー 聞き取りにくい高音域の聞き取りを向上 ▼ソフトスイッチ 会話と雑音を感知すると自動的に聞き取りやすいモードに切り替え ▼ウインドガード 風切り音を抑制するので、屋外でも聞き取りやすい ▼スマートフォンとの連携 スマートフォンの音声を補聴器にストーリミング。アプリで簡単操作 ▼遠隔サポートで調整 遠方・多忙などで販売店に頻繁に行けない場合の、アプリを利用した調整 |
▼周波数拡張 高音域まで再現することで音質を向上 ▼環境適応システム 周囲の音環境を自動で認識。全自動でボリューム調整 ▼環境適応雑音抑制 首位の音環境に合わせて全自動で雑音抑制のきき具合を調整 ▼両耳連動指向性Ⅲ バックモニターで雑音下でも言葉が認識し易い ▼空間認識 音の方向感を補助することで、全自動で空間を認識 ▼オートスコープ 状況に合わせて聞き取り範囲自動調整。範囲外の音を抑制。 ▼マルチビーム 環境適応型指向性の進化版。聞き取りやすい範囲を3段階から選択可能。 ▼衝撃音抑制 衝撃音を抑制することで聞き取りの快適性を向上 |
シバントス | ||
Prompt | Primax 2px | signia 7nx |
価格:50,000円 | 価格:160,000~ | 価格510,000円~ |
▼自動音量調整 音の大きさに応じ、自動で音量を心地よい大きさに調整 ▼スピーチ&ノイズマネージメント 言葉を聞き取りやすくなるように、周囲環境に応じて設定が自動で変化 ▼ハウリングストッパー 不快なピーピー音(ハウリング)を抑制 |
▼サウンドスムージング 突発的に響くような衝撃音を抑制 ▼eウィンドスクリーン 風雑音抑制 ▼e2eワイヤレス 両耳がツネに通信しあい、聞き取りやすくする ▼周波数圧縮 高い音を聴野にいれて聞き取りやすくする ▼アダプティブ 雑音の方向以外の周囲360度を聞く |
▼own Voice processing 「相手の声」と「自分の声」を判別し「自分の声」を快適にする ▼全自動ダブルピント調整 相手の声がより聞き取りやすい ▼ビーム指向性 両耳装用で正面の音だけをフォーカス ▼ワンマイク指向性 両耳装用で正面の音にフォーカス ▼スピーチフォーカス 前後左右、声の方向に自動的にフォーカス ▼トゥルーイヤー 耳介効果で裸耳に近い臨場感 ▼マニュアル指向性(幅) 両耳使用時に指向性の幅を手動で調節 ▼マニュアル指向性(方向) 両耳使用時に指向性の向きを手動調節 ▼パワーエンハンス 後ろの雑音を抑えて静かに ▼ウルトラHD 会話をサポートする高速両耳通信 ▼エコーシールド ワンワン響く反響をしっかり抑える ▼ハイレゾ音楽 カラオケやコンサートや、CD・レコードがより聞き取りやすい ▼12khz広帯域 12khzまでの高音域を出力、より豊かな音色を実現 ▼ツインフォン 受話器を補聴器に近づけると両耳で電話を聞くことができる |
※一部抜粋
上記の表のように、高い補聴器ほど強力に雑音を抑制し自然な聞こえを再現した高性能の補聴器ということになります。また、自動で音が切り替わるので使用者によって使いやすいです。
とはいえ、初めて補聴器を購入する方にとって結局どの価格の器種を選ぶと良いかなんてわからないもの…。
または、高度難聴だからといって高い価格の補聴器を選ばないといけないなんて不安に思われている方もいらっしゃいますよね。
そこで次に、おすすめの補聴器の買い方を紹介します。
おすすめの補聴器の買い方
おすすめの補聴器の買い方は、次のステップにわけてご紹介します。
・絶対に抑えておく2つのポイント
・お金に関する選び方
・ライフスタイルで価格を選ぶ
次で、上から順にご説明します。
絶対に抑えておく2つのポイント
補聴器を購入する際に、次の2つのポイントを抑えておくことがベストです。
・補聴器のタイプ
・対応難聴レベル
ただ、ご説明に移る前に使用者がどの程度の聞こえかを把握しておく必要があります。補聴器のタイプを選択するには、難聴程度を基にするためです。次の表で、きこえの程度を確認しましょう。
※スマホの方は横にスクロールできます。
難聴程度 | 平均聴力(db) | 自覚 |
軽度難聴 | 25~40㏈未満 | 小さい声や騒音下の会話が聞き取りにくい |
中等度難聴 | 40~70㏈未満 | 普通の会話が聞き取りにくい |
高度難聴 | 70~90㏈未満 | 耳元の大きな声でも聞き取りにくい |
重度難聴 | 90㏈以上 | ほとんど聞こえない |
聴力は年々と落ちていくため、いつからか聞こえにくくなっています。使用される方の聴力をきちんと上記の表で把握して次のステップに移りましょう。
補聴器のタイプ
補聴器の形状を選ぶことはとても大切です。使用者に合っていない形状を購入してしまうと、補聴器が邪魔になることがあります。次できちんと把握しておきましょう。
補聴器のタイプは次の3種類に分かれます。
※スマホの方は横にスクロールできます。
タイプ | 対応難聴 | 価格 | メリット | デメリット |
耳かけ型 |
軽度~重度 | 5万円~70万円 | 高度な機能性を搭載できる | 眼鏡やマスクを使用すると邪魔になる |
耳穴型 |
軽度~重度 | 5万円~55万円 | 目立ちにくい外れにくい | 小さいサイズは大きな音を出せない |
ポケット型 | 中等度~高度 | 3万円~13万円 | 操作が簡単 安価 |
サイズが大きいので目立つ コードが邪魔になる |
骨伝導型 | 軽度~中等度 | 18万円~24万円 | 耳を塞がない | 大きな音が出せない |
上記の表のように補聴器の種類は様々。現役でお仕事をされている方には、コードがあるポケット型補聴器は邪魔になることがありますが、外出困難の方や寝たきりの方には便利です。このように、使用者にあった形状の補聴器を選ぶことが大切。
また、世間で流通している約97%の補聴器は耳かけ型と耳あな型になります。耳かけ型と耳あな型の特徴は次の通りです。
・ポケット型と骨伝導型と比べて目立たない
・5万円から70万円と幅広い価格から選ぶことできる
以上が、耳かけ型と耳あな型が人気の理由。どの補聴器の形状を選べないと言う方には、耳かけ型と耳あな型補聴器をおすすめします。
対応難聴レベル
補聴器の形状を選ぶと、器種の中でも対応難聴レベルというものがあります。対応難聴レベルとは、軽度から重度難聴のどの難聴レベルの方が使用されるかを推奨したものです。
基本的どの器種にも対応難聴レベルが設定されています。重度難聴の方が軽度難聴用の器種を使用しても音が足りずよく聞こえません。そのため、使用者の難聴に対応した器種を選ぶことが大切です。
高い価格の器種でも安い価格の器種でも、対応難聴レベルは設定されています。重度難聴だからと言って高い補聴器を購入しなくても大丈夫ですが、対応難聴レベルは注意して選びましょう。
上記の2つのポイントを抑えておくと、基本的に聴力にあった補聴器を購入することができます。上記の2点を抑えておくと、失敗しない補聴器選びをすることができますよ。
2つのポイントを抑えておくと聞こえの良い補聴器を選ぶことができますが、実は補聴器は購入後のことも視野にいれておく必要があります。
購入後に発生する費用があるためです。生涯聞こえを良い状態を維持するためにも、次で購入後のお金についてきちんと把握しておきましょう。
お金に関する選び方
補聴器は本体金額以外に、次の3つのポイントに注意する必要があります。
・電池式、充電式
次で上から順にご説明します。
両耳装用で検討することがベスト
「補聴器が高いから片耳だけにしようかな?」
「片耳でも聞こえが良ければ問題ない」
弊社に来られた方の中には上記のような相談も多いです。
最終的にはお客様の意見を尊重しますが、特別な事情がない限り両耳装用されることをおすすめしています。補聴器も両耳装用の値段で検討されるようにお願いしているのです。
両耳装用をおすすめする理由は、次の通りです。
・言葉が理解しやすくなる
・騒音下でもききとりやすい
・片耳だけよりも疲れない
基本的には、片耳に高い価格の補聴器を装着するよりも、両耳に安い価格の補聴器を装着した方が聞こえやすいです。
なぜなら、耳は入ってきた音の左右差を感じることで方向感などを判断するためです。耳本来の機能を活かすことで、高い価格の補聴器を片耳で装用するよりも安い価格の補聴器の方が効果を発揮することができます。
両耳装用するデメリットとしては、購入代金が2倍になることが挙げられます。ただ最近では、両耳セットであれば片耳価格の1.5倍から1.7倍で購入できる器種もあります。
そのため、医師による指導がなければ両耳装用することを前提に予算を考慮されることがおすすめです。
補聴器の買い替えも検討しておく
補聴器の寿命は約5年です。こまめな点検と手入れをしていれば、5年以上寿命を延ばすこともできます。しかし、補聴器は精密機械ですので何らかのきっかけで故障したり、部品が老朽化して壊れてしまったりすることがあります。
5年以降は買い替える必要があるということを想定して補聴器の金額を組むことをおすすめします。
充電式、電池交換式
補聴器を使用するには空気亜鉛電池という特殊な電池が必要です。空気亜鉛電池は、補聴器店だけでなく通販や家電量販店で購入することも可能です。
空気亜鉛電池の価格は、基本的に6粒1シートで約600円になります。電池の寿命は、器種や使用環境によって変わりますが早くて3日、長くて3週間ほどです。
年間にすると補聴器の電池代は約8000円必要になります。両耳にすると約1万6000円です。また、値段の面だけでなく補聴器の取り換えや購入するなどの作業も必要です。
空気亜鉛電池は小さいので、使用される方によっては電池交換が難しいことがあるのです。
できる限り電池代や交換などの作業を減らしたい方は電池のサイズが大きい器種を選ぶことをおすすめ。大きい電池は容量も大きいので寿命も長いです。
電池サイズは、基本的にメーカーのカタログには記載されているのでそちらを参考にして頂ければ幸いです。
また、最近では充電式補聴器も主流になってきました。電池が必要なく、補聴器に充電しておくことで稼働するのです。電気代も年間120円と安価。
電池の取り扱いも軽減されるので電池代と手間をなくしたい方に充電式補聴器がおすすめです。
上記のように、購入費以外にも使用をすると必要な費用があります。補聴器を無理することなく使い続けたい方は上記のポイントを意識して選びましょう。
では、最後に使用者にぴったりの補聴器の選び方についてご説明します。
ライフスタイルで価格を選ぶ
「もうひとつ上のグレードにしておけばよかった」
「そんなに高い補聴器を購入しなくても良かったかな」
上記のような事態を避けるためにも、補聴器は生活に合わせて選ぶことが大切です。旅行や飲み会など外出が多く音の環境が著しく変化する場合は高い補聴器の方が便利。使用者にとって聞こえがよく操作が少ないのでストレスが少なくなります。
※スマホの方は横にスクロールできます。
価格 | 適した場面 |
10万円未満 | 静かな室内、静かな街中、病室など |
15万円前後 | 静かな室内、静かな屋外、病室、街中、買い物、飲食店、大きな集まり |
20万円以上 | 静かな室内、静かな屋外、病室、街中、買い物、飲食店、大きな集まり、旅行/観光、会合/会議 |
※参考程度にお願い致します。
上記の表と使用者される方の生活に照らし合わせて補聴器の価格を選びましょう。
また弊社では「安い」「高機能」「おしゃれ」「人気」の評価から、ランキング形式に補聴器を紹介しています。ランキングに紹介している補聴器は全て無料で7日間レンタルすることが可能。
GNリサウンド・シグニアの2メーカーから選ぶことができます。自分にぴったりの補聴器を把握したい方は下記からどうぞ!
ただ、ここまで読んで頂いた中には次のような方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「やっぱり価格が気になって手が出せない」
「欲しい補聴器が予算オーバーしてしまう」
補聴器の購入には介護保険や健康保険は適応外になります。なかなか、補聴器の価格が高いからなかなか踏み切れないなんて方も多いですよね。実は、補聴器には国や自治体から補助や助成金制度があるのはご存知でしたか?
次に、補助・助成金制度についてご説明します。
国や自治体の補助・助成金制度
国や自治体の補助・助成金制度は、次の通りです。
種類 | 補助金額 |
障害者総合支援法 | 本人1割負担 |
自治体独自の支援策 | 自治体による |
次で、上から順に簡単にご説明します。
障害者総合支援法
障害者総合支援法は、障害者手帳を交付されている方を対象とした補助金制度です。上限額はありますが、購入を希望する補聴器を1割の価格で購入することができます。障害者総合支援法で補聴器の購入を申請する場合はよほど重度の難聴の方が対象。詳細は、お住まいの福祉課にお問い合わせ頂ければ幸いです。
自治体独自の補助金制度
各自治体独自が、補聴器の購入に対して補助する制度です。主に障害者総合支援法に該当しない方を対象。補助制度は各自治体によって違います。
東京都千代田区を例にすると下記の通りです。
・片耳の聴力レベルが40デシベル以上ある方
・千代田区内に住所を有し、現に居住している方
・上限25000円で、本人1割負担
※その他条件有り
以上の条件を満たされると、千代田区から補助金が支給されます。自治体によって補助金の有無や条件も違いますので、詳細はお住まいの自治体にお問い合わせして頂ければ幸いです。
もっと詳しく、補聴器の割引制度を把握した方は次の記事をどうぞ!
まとめ
以上、補聴器の価格が高い理由でした。
補聴器の価格設定には、聞こえを改善する性能とそれに伴うアフターケア代が含まれているから高い価格で販売されているのですね。
聞こえの改善を目的に購入するのであれば、高い価格でも管理医療機器の認可を受けた補聴器を購入しましょう。安定して聞こえ改善の効果を得られることができますよ。
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