「日本製の器種が欲しい」
「国産の補聴器はどこで買うの?」
上記のような気持ちからここに辿りついた方も多いのではないでしょうか?
「日本製は安心」といったイメージから、日本メーカーの補聴器を希望される方は多いです。ただ、多くの販売店では外国製の補聴器を取り扱いしていることがほとんど。日本製の補聴器について詳しく知る機会や実際に見ることは滅多にありません。
そこで今回、日本製の補聴器について、メーカー、特徴、値段をご紹介します。ここを見て頂ければ、自分が希望するメーカーを見つけることができますよ。
また、多くの販売店で外国製の補聴器を取り扱いしているのには訳がありますので、外国製との違いや販売店の選び方についても触れてご説明します。では、さっそく日本製を手掛ける4つの補聴器メーカーをご紹介します!
<目次>
日本製の補聴器メーカーの特徴や値段、買う場所
※きこえのお助け隊では日本製の補聴器は取り扱いしていません。
国内の補聴器の流通と促進を目指し活動している日本補聴器工業会という組織があります。今回は、その日本補聴器工業会に加盟している、4つの日本メーカーをご紹介致します。
日本製の補聴器メーカー一覧
日本補聴器工業会に登録されている、メーカーは次の通りです。
・コルチトーン
・パナソニック
・マキチエ
・リオネット
上記が日本製の補聴器メーカーです。日本製の補聴器が欲しい方は、上記のメーカーの補聴器を買うことをおすすめ。日本メーカーが手掛けた安心の補聴器を手に入れることができます。
とはいえ、日本製といえども「初めて聞くメーカーは不安」「きちんとしたメーカーなのか確認した上で購入したい」という方も多いと思いますので、次で上から順に各メーカーの特徴や補聴器の値段をご説明致します。
※補聴器が非課税商品です。
コルチトーン
コルチトーンは東京都本郷に本社を置く国産補聴器メーカーです。1946年に東邦理研会社を成立し、1957年に補聴器販売を拡充させるために、コルチトーン株式会社を設立しました。
1959年には国産初のメガネ型補聴器を、1971年にはこちらもまた国産初の耳あな型補聴器を制作発表。このように、国産初の機能を数々と開発したコルチトーンは、国産補聴器メーカーの先駆け的存在になります。
また、コルチトーンは1957年創業以来、自社開発、自社製造、直営店舗販売を守り抜いています。
コルチトーンの補聴器の値段
種類 | 価格 |
耳かけ型 | 4.5万円~58万円 |
耳あな型 | 4.9万円~56万円 |
ポケット型 | 2.9万円~8万円 |
骨伝導型 | 18.5万円 |
コルチトーンの補聴器の特徴
コルチトーンは、充電式補聴器ステラが登場しました。ステラ8Cは充電式補聴器。補聴器用電池は小さく交換が難しいものでした。充電式補聴器はこのような電池交換の手間を解決した補聴器です。
電池交換の手間を省き、補聴器がもっと手軽に使える存在になりました。また、最近ではデジタル補聴器が一般的ですが、コルチトーンでは多くのアナログ補聴器を取り扱いしていることもポイントですよ。
コルチトーンの補聴器はどこで買う?
コルチトーンは直営店でのみ購入できます。コルチトーンの直営店は、東京、名古屋、大阪、福岡の4か所。また、ポケット型補聴器は通販でも購入できます。
パナソニック
電気業界第3位の売上を誇るのがパナソニックです。パナソニックの補聴器事業は1958年に始まり、2021年現在で63年の歴史を迎えました。
直営店は全国に東京、横浜、大阪、福岡の4箇所あり、認定補聴器技能者及び言語聴覚士が在籍しているので、使用者のきこえにぴったりの補聴器を提案して貰えるのです。
パナソニックは、電気業界としても国内最大手。認知度の高さだけでなく、取扱店が多いのもポイントです。
パナソニックの補聴器の値段
種類 | 価格 |
耳かけ型 | 9.8万円~44万円 |
耳あな型 | 18万円~44万円 |
ポケット型 | 5.8万円~12.8万円 |
骨伝導型 | - |
パナソニックの補聴器の特徴
パナソニックの主力補聴器はR4とG4です。どちらも同じシリーズで、R4が耳かけ型でG4が耳あな型になります。従来の補聴器とは違い、角がなく丸みを帯びたデザインが特徴。
角がないそのデザインは日常に溶け込み、装用に違和感がありません。2017年にはR4シリーズがグッドデザイン賞の金賞を受賞しました。おしゃれな補聴器が欲しい方にR4がおすすめです。
また、パナソニックの補聴器は耳かけ型、耳あな型、ポケット型のすべての種類から電池式と充電式を選べるのもポイントです。
パナソニックの補聴器はどこで買う?
パナソニックの補聴器は直営店または全国の取扱店で購入できます。直営店の東京、横浜、大阪、福岡の4か所、取扱店は全国784か所にあります。
直営店だけでなく町の電気屋さんなど身近なお店で購入や調整できるのが魅力ですね。近くの取扱店を確認したい方はパナソニック補聴器の公式ホームページで検索できますよ。
マキチエ
1945年に新潟で家電販売事業をルーツに誕生したのがマキチエです。2020年には創立75周年を迎え、現在では東京の日本橋に本社があります。マキチエは、医療機関及び医師の診断、あるいは専門的なサポートを踏まえて自社の補聴器を提供するという独自の販売スタイルが特徴。
それはマキチエが「補聴器は医療機器」という理念をもって開発販売しているからです。また、マキチエでは、開発・設計から組み立て加工品質チェックまで一貫して自社で行っているところもポイントです!
マキチエの補聴器の値段
種類 | 価格 |
耳かけ型 | 6.8万円~19.8万円 |
耳あな型 | 14.8万円~20.8万円 |
ポケット型 | 3.88万円~5.88万円 |
骨伝導型 | - |
マキチエの補聴器の特徴
2020年7月に充電式耳かけ型補聴器テレーズが販売されました。テレーズは近年のトレンドの一つである充電式を抑えつつ、よりよい聞こえを届けるために高度な機能を搭載しています。
中でも「音環境認識」は静寂下、会話(静寂下、騒音下)、騒音下、風切り音、音楽の6環境下を分析し、自動でプログラムを変更。使用者はプログラムを手動で変更することがなく、自動で聞こえの良い音を聞くことができるのです。
また、補聴器は高価になりがちですが、多くの聞こえの悪い方に補聴器を行き届けるように安い価格に設定しているのもマキチエの補聴器の特徴ですね。
マキチエの補聴器はどこで買う?
マキチエは全国各地の直営店で購入できます。1都1道1府16県に直営店があり、店舗総数は34店舗。各店舗では耳鼻咽喉科と連携をとり補聴器を提供してくれるので医療機関と補聴器のプロが使用者のきこえに一番適した補聴器を提供してくれます。
マキチエの店舗は公式ホームページで確認できますよ。
リオネット
「国内シェアNO1」「国内シェア率の約20%」を誇る補聴器を開発販売しているのがリオンです。リオンは、補聴器だけでなく医療用の聴覚機器や検査機器などの製造販売を行っている会社で、補聴器としてのブランドがリオネットになります。
1948年に国産初の補聴器を開発販売し、1986年には世界発の防水補聴器を発表しました。この世界発の防水補聴器は、日本の高温多湿の環境で補聴器が故障しやすいことから着目し開発されたものです。
日本メーカーならではの着眼点ですね。また、天皇陛下がご愛用されているのがリオンの補聴器と言われています。
リオネットの補聴器の値段
種類 | 価格 |
耳かけ型 | 4.5万円~37万円 |
耳あな型 | 7万円~39万円 |
ポケット型 | 2.98万円~8万円 |
骨伝導型 | 18.5万円 |
リオネットの補聴器の特徴
リオネットの補聴器は、多くのリオネットシリーズを展開しております。充電式、電池式だけでなくサイズなども細かく展開されているので、使用者は見えない(小型な)補聴器といった自分の希望に沿った補聴器を選ぶことができます。
また、電池をどちらの向きでいれても作動するおまかせ回路などもリオネットならではの機能。多くの器種やシリーズを試したいという方や、リオネットの補聴器をおすすめします。
リオネットの補聴器はどこで買う?
リオネットの補聴器は、北は北海道から南は沖縄まで全国350店舗あります。直営店ですので、修理や調整といった対応が早いのも特徴。リオネットの公式ホームページで近くのリオネット専門店を探すことができますよ。
以上、日本の補聴器メーカーでした。どれも日本で歴史がある補聴器ブランドです。どうしても日本メーカーの補聴器が欲しいという方は上記のメーカーをお選び頂くことをおすすめします。
ただ、「なんとなく日本製の補聴器の方が安心」そういった気持ちから日本製を選ぶ場合は注意が必要。多くの補聴器販売店で外国製の補聴器を取り扱いしているのには訳があるのです。
そこで、次に外国製の補聴器が多く取り扱われている理由についてご説明します。
日本製より外国製の補聴器が多い理由
多くの補聴器販売店では、外国製の補聴器を取り扱いしています。それは、世界的に見て外国製の補聴器が主流のため。日本の補聴器シェア率1位がリオンでしたが、世界的に見ると下記の表の通り1%にも満たないのが現状です。
メーカー | シェア率 | 国 |
ソノヴァ(フォナック) | 31% | スイス |
デマンド(オーティコン) | 30% | デンマーク |
シバントス/ワイデックス(シグニア/ワイデックス) | 19% | ドイツ/デンマーク |
GNリサウンド(GNリサウンド) | 15% | デンマーク |
スターキー(スターキー) | 4% | アメリカ |
その他 | 1% | - |
なぜ補聴器には外国製が多いの?
日本と比べて海外は、補聴器に対する福祉制度が整っていることが考えられます。福祉サービスが充実している国に補聴器メーカーが多いのです。国内の補聴器業界も同時に発展していきます。
例えば、イタリア、ドイツ、スイスは約7万円~10万円の補助金が行われており、EU全体では79%が補聴器の購入に一部、全額の保険を適用したというデータもあるのですよ。
上記のように、日本では難聴の自覚があっても13.5%と非常に補聴器の普及率が低いのです。日本でも補聴器の補助金制度がありますが、障害者手帳の取得や一部の自治体独自で取り組みなどで受給はハードルが高いです。
値段を理由に購入を諦めてしまう方も多いのですね。
日本製と海外製はどちらが良いの?
弊社では、海外製の補聴器をおすすめしています。やはり、市場規模が大きくなれば、開発資金も潤沢します。大勢の研究者の技術や知識を集結して、高性能かつ超小型なチップを開発するのです。
また、改良した補聴器を研究から販売まで短いスパンで行えるのも魅力の一つです。例えば、新型コロナウイルスが拡大してから一年後には、マスク下でも聞こえが向上するプログラムを海外補聴器メーカーは開発しました。
問題があれば解決した補聴器を開発する、このサイクルが短いスパンで行われることによって、一番きこえの良い補聴器をユーザーに提供し続けることができるのです。
そのため、弊社では外国製であるシグニア(シーメンス)とGNリサウンドの補聴器をおすすめしております。
補聴器メーカー・販売店の選び方
さて、最終的にどこのメーカーを選べば良いかですが、「近くの販売店が取り扱いしている補聴器をレンタルしてみる」のがおすすめです。はっきりと答えがないのかと思われるかもしれませんが、そもそも、「補聴器」という名前が付く商品は医療機器の認可が下りた商品。
補聴器は集音器とは違い、音が大きくすぎて耳を傷つけないか、きちんと聞こえの改善効果を発揮するのかなどの厳しい管理医療機器のテストをうけています。
補聴器という名称は、補聴効果を国から認められた製品に名付けられているのです。そのため、きちんと聴力レベルにあった補聴器を選び、調整をすればきこえの改善効果は発揮されるのです。
また、「近くの販売店」というのもポイントで補聴器は、定期的に調整が必要になります。使用者によりますが、購入当初は聞こえに満足するのに3回から10回ほど。その後も2.3ヶ月に1度は販売店で調整や点検が推奨です。きちんときこえを維持するためにも通いやすい補聴器販売店を選ぶことが重要です。
お近くに販売店がない方は是非「きこえのお助け隊」をどうぞ!
きこえのお助け隊は訪問専門の補聴器店です。訪問費無料、7日間無料レンタルで補聴器の販売台数は10万台を達成。外国製にはなりますがシーメンスシグニアとGNリサウンドの補聴器を取り扱いしております。
両メーカーの最新補聴器をレンタルして頂くこともできますので、外国製の補聴器も気になるという方はきこえのお助け隊までご相談頂ければ幸いです。
そして最後に「レンタル」してから購入するということ。購入したけど操作や手入れが難しくて使いこなせなかった、想像した以上に効果を発揮しなかったなんて事態を避けるためにもレンタルしてから購入に進まれることをおすすめ。
ほとんどの補聴器販売店でレンタルサービスを行っています。レンタルがない場合でも、返品期間がありますので、期間をきちんと把握しておきましょう。
以上、日本製の補聴器についてご説明させて頂きました。
補聴器選びの参考にして頂ければ幸いです。