65歳以上の方で、最近聞こえが悪くなった、このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか?または、家族から指摘されて気付いた、そのような方もいらっしゃるかと思います。
一般的に聴力は年をとるにつれ、低下していきます。加齢とともに聴力が低下することを、老人性難聴と言います。老人性難聴は、長期にわたって聴力が低下していくので、気付いた時にはすでに難聴が進行していることが多いです。
しかし、老人性難聴は、音を聞き取る細胞が減少していること原因。そのため、自力で聞こえを改善するのは非常に難しいのです。
ただ、老人性難聴の進行を緩やかにできるのはご存知でしたか?誰でもできる簡単な方法で、老人性難聴の進行を緩やかにすることができます。
今回、耳との関りが深い補聴器店のアドバイザーである私が、老人性難聴について特徴、原因、対処法、改善策についてご紹介します。老人性難聴について把握すると、聞こえの低下を遅らせることができますよ。
最初に、改めて老人性難聴についてご説明します。
<目次>
【症状・特徴・原因】老人性難聴とは
症状と特徴、音が聞こえないリスクとは?
老人性難聴は、老年性難聴や加齢性難聴とも呼ばれます。名前の通り、年を取るとともに聞こえが悪くなる難聴のことです。そのため、年齢を重ねるにつれ、次のように発生頻度も高くなります。
65歳以上 25~40%
75歳以上 40~66%
85歳以上 80%以上
75歳以上の約半数が、聞こえが悪いことに悩みを抱えられているのですね。聞こえが悪くなると日常生活で次のような問題が起こることがあります。
☑ 病院や銀行などで名前を呼ばれても気づかない
☑車の近づいてくる音や、クラクションを鳴らされても気づかない
☑玄関の呼び鈴(チャイム)や携帯電話の着信音などに気がつけない
☑ 聞き間違いや聞き返しが増えてコミュニケーションがとりづらくなる
☑人の話を最後まで聞かないと思われる
上記以外にも、家族からテレビの大きさを指摘されるなどがあります。このような問題の原因は、老人性難聴の方は次のような聞き取りが苦手なためです。
・どちらから話しかけられたのかわからない(音の方向がわかりにくい)
・大勢で会話だと、聞き逃すことが多くなる
・通常の速度では、会話が聞き取りにくい
・音は聞こえるが、何を言っているのか判断しにくい
・高い音が聞き取りにくい
上記の症状は、音が聞き取れていないだけでなく、脳の言語処理能力が低下しているため起こります。脳は日常的の音を、引き出しの中に記憶・保管しています。しかし長年の難聴によって、音が脳に入らないと、引き出しが減少します。そのため、難聴になると引き出しから音が出せず、言葉をうまく判断できないのです。
しかし、なぜ年をとると聞こえが悪くなるのでしょうか?
理由を次でご説明します。
高音域から聞こえにくい老人性難聴の原因
老人性難聴の原因は、次の2つです。
・有毛細胞の減少のため
・酸化ストレスのため
次で上から順にご説明します。
有毛細胞の減少のため
有毛細胞は音を拾う細胞です。この有毛細胞が加齢などによって減少しているため、聴力の低下を引き起こします。この細胞は、耳の奥にある蝸牛と呼ばれる部位に存在します。蝸牛はカタツムリのような形状をしており、入り口が高音域、出口が低音域の音を拾うのです。高音域を拾う入口の有毛細胞は、音が頻繁に入ってくるので、傷つきやすいです。そのため、老人性難聴になると一般的に高音域の聞き取りから悪くなります。また有毛細胞は、日常生活の音や、老化とともに減少していくため、基本的に聴力の低下を防ぐことはできません。
酸化ストレスのため
有毛細胞は酸化ストレスでも減少します。酸化ストレスとは、酸化反応によって細胞を傷つけることを言います。酸化反応は、呼吸によって取り込まれた酸素と、食物で取り込んだ栄養素を燃やすことでおこるのです。
通常であれば、起こった酸化反応は、抗酸化能によって処理されます。しかし、心理的・肉体的ストレスや、紫外線、大気汚染、たばこ、薬剤、金属、酸化された食べ物を食べるなどで、抗酸化能の処理が追い付かないことがあるのです。処理されず溜まった酸化ストレスは、有毛細胞を傷つけ難聴の進行を早める恐れがあります。
他にも老人性難聴の原因として、遺伝や耳の内部、脳などが原因の場合もあります。ただ基本的に、加齢によって有毛細胞が減少していることが大きな要因。
「加齢によるなら、どうしようもない」
上記のように思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに年をとると、有毛細胞も減少していきます。しかし、有毛細胞の減少をゆるやかにできるのはご存知でしたか?
次に、老人性難聴の対処法についてをご紹介します。
【予防・改善】老人性難聴による聴力低下を防ぐ
老人性難聴を予防する
老人性難聴の進行を緩やかにするポイントは、次の3つです。
・ストレスをためない
・大きな音を避ける
・血の流れを良くする
次で上から順にご説明します。
ストレスをためない
過度なストレスは、酸化ストレスが処理できない原因です。そのため、趣味に没頭する時間をつくることや、適度に体を動かす、気分転換をするなどで、ストレスを発散しましょう。
大きな音を避ける
大きな音を聞くと、有毛細胞が傷つきさらに減少してしまう恐れがあります。そのため、大きな音を避けることは大切。大きな音は、コンサートや工事現場、パチンコ店、イヤホンで大きな音を聞くなどが挙げられます。また、家の近くが大きな音がする高速道路、新幹線、線路などだと、知らない間に耳を傷つけている可能性があります。もし、このような場所にお住まいであれば、窓を防音ガラスもしくは防音カバーにする、背の高い家具を置くなどで対処が可能です。
血の流れをよくする
耳の血液の流れが悪くなると、脳への神経伝達が十分に行われず、難聴を進行させる可能性があります。耳の治療に、ビタミン剤を投与されることから、ビタミンが有効となる可能性があります。治療に使用されるビタミンは次の3種類です。
・ビタミンE
・ビタミンB1
・ビタミンB2
上記のビタミンが含まれている食べ物を、次で上から順にご説明します。
ビタミンE
ビタミンEは老化を防ぐ高酸化作用があります。ビタミンEは、アーモンドや、植物油などから摂取することが可能です。
ビタミンB1
ビタミンB1は神経を整える効果があります。ビタミンB1を含む食べ物として、豚もも肉や豚ひれ肉、大豆、小豆、うなぎなどです。この中でも特に、豚肉に豊富なビタミンB1が含まれています。
ビタミンB2
ビタミンB2は成長を促す作用があります。ビタミンB2を含む食べ物として、レバー・納豆・牛乳・ウナギなどがあります。中でも牛や豚のレバーから、豊富なビタミンB2を摂取することが可能です。
上記のポイントに意識して頂くと、比較的に難聴の進行を緩やかにすることが可能です。
しかし、もうすでに聞こえないことで困っているという方もいらっしゃるのではないでしょうか?老人性難聴は、難聴が進行してから気づくことが多いです。そのため、気付いた時には有毛細胞は減少しており、自力で聞こえを改善するには難しい状況になっていることも…。
そこで次に聞こえの改善方法をご紹介します。
聞こえの改善は補聴器の装着が有用
老人性難聴の聞こえの改善は、補聴器をおすすめします。なぜなら、現代の医学で細胞を再生する技術が基本的にないためです。そのため老人性難聴で病院を受診した場合、医師からは補聴器の装用をすすめられることが多いです。
「補聴器はうるさくて嫌だ」
「良く聞こえないのでしょう?」
「補聴器の取り扱いが不安」
しかし、補聴器と聞いて上記のように思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近の補聴器は性能を向上し、以前の器種と比べて聞こえも大変よくなりました。ひとりひとりの聞こえに合わせて、会話音を強調し、雑音を抑制するなどの音の調整ができます。使用者は、雑音に邪魔されることなく、聞こえの良い音を聞くことができますよ。
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