補聴器代わりになる、スマートフォンのアプリがあるのはご存知でしょうか?
最近のアプリは便利なものが多く、その中に補聴器代わりになるものがあります。主に、iPhoneやandroidでダウンロードすることが可能です。スマートフォンが補聴器の代わりになると大変便利ですよね。
ただ、アプリは使用する場面が大変重要です。使用する場面を間違えると、さらに難聴が進行してしまうかもしれません!
そこで今回、補聴器店のアドバイザーである私が、補聴器替わりになるアプリについて説明します。補聴器アプリについて知ると、聞こえの良い生活を送ることができますよ。
では最初に、アプリのメリットとデメリットのご紹介です。
アプリのメリット/デメリットは?
アプリのメリット/デメリットを把握しておくことは重要です。知らずのうちに、難聴が進行してしまう恐れがあります!そんな状況をさけるために、次できちんと、アプリのメリット/デメリットを把握しましょう。
アプリのメリット/デメリットは、以下です。
メリット
金額が非常に安い
もしくは無料で入手できる
手軽に音が聞こえる環境を試せる
デメリット
聞こえの調整ができない
雑音を拾う
衝撃音に対応できない
アプリの最大のメリットは、やはり価格です。数百円もしくは無料で、アプリをダウンロードできます。また、購入の手間もほとんどなく、ダウンロードするだけなので、大変お手軽です。遅くても5分程度で、アプリが試せます。
しかし、アプリは周辺の音を全て拾うため、雑音が会話の邪魔になります。また急に食器が割れるなどの衝撃音にも対応できず、そのまま大きな音として耳に届きます。調整されていない音を大音量で聞き続けると、難聴が進行する原因なので注意が必要となります。
なぜなら、音を認識する用毛細胞が、大きな音によって刺激され減少するためです。用毛細胞が減少すると、さらに難聴が進行する可能性があります。
その点補聴器だと、大きな音や雑音を抑制することができますので、不用意に耳を傷つけることもありません。また、高度な調整機能によって、音をひとりひとりの聞こえに合わせることができます。
以上のことから、アプリを補聴器の代わりとして、長時間使用することはおすすめしません。ただ、使用場面を限ると補聴器の代用として使用することができます。次でご紹介します。
アプリが活用できる場面は?
アプリでも短時間の使用なら、おすすめできる場合もあります。次の通りです。
・健聴者、軽度難聴の方が会議などの静かな場所で試す場合
・補聴器の予備として使用する場合
上記のような場面で、アプリを活用して頂くことができます。室内の静かな場所であれば、会話音のみが増幅されるので、聞き取りやすいです。また、補聴器の電池切れに備えて、アプリをダウンロードしておくと、緊急時に補聴器の代わりとして使用できるので安心ですよ。
ただ、アプリはあくまで周辺の音を集めて聞く、音量器機です。聞こえの改善効果は保証されていません。理由を次の、補聴器とアプリの違いでご説明します。
補聴器とアプリの違い
補聴器とアプリの最大の違いは「管理医療機器」であるかどうかです。言わずもがな、補聴器が管理医療機器となります。
管理医療機器とは、副作用などの影響で生命や健康に影響を与える恐れがある医療機器のことです。人体に影響を及ぼす恐れから、管理医療機器の認可には厳しい審査が国に設けられています。その審査を通ったものを、管理医療機器として販売することが可能です。
このことから補聴器とは、聞こえの改善効果を国に認められた管理医療機器のことを言います。本来「補聴器」の名前も、管理医療機器の認可が下りていなければ使用することはできません。認可が下りていないものは集音器などと呼ばれたりします。
アプリも管理医療機器ではないので、分類としては、集音器と同じ音響機器です。音響機器は、医療機器ではないので聞こえの改善効果は保証されていません。あなたが聞こえの改善目的に使用するなら、効果が保証されている補聴器がおすすめです。
以上ここまでで、補聴器代わりになるアプリについてご紹介してきました。
上記のポイントを抑えて頂くと、聞こえの良い生活を過ごすことができますよ。
当記事があなたの参考となれば幸いです。
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