【頻度や道具を紹介】補聴器に必要なメンテナンスの方法

きっちりメンテナンスされている機械は、安全・快適に使用することができ、十分な性能を発揮できるとともに、故障が少なく長持ちさせることができます。

補聴器も例外ではありません。

先進の医療機器で、卓越した精密機械である補聴器は、こまめなメンテナンスをすることで本来の性能を十二分に発揮します。

補聴器のメンテナンスですが、毎日やるものから年1回ぐらいのペースまで様々あります。

メンテナンスというと、おおげさに聞こえ、面倒と思う方もいらっしゃると思いますが、面倒なことはありません。

毎日行っていただきたいメンテナンス

乾燥(ご使用後に必ず乾燥ケースに入れる)

補聴器は、内部に電子部品をつかっており、電気を使用して動く為湿気に弱いという特性を持っています。

その為、ご使用にならないときや就寝時には電池ケースを十分に開き、乾燥ケースに入れて密閉し乾燥させるようにしてください。くれぐれも湿度の高い洗面所やお風呂場などに放置しないようにしましょう。また夏の汗や冬場に起こりやすい結露にも注意が必要です。

近年では、撥水加工されている補聴器もでてきており、湿気による故障が少なくなってきていますが、過信せず乾燥させるようにしましょう。

都度行うメンテナンス

掃除(汚れが目立つときおこなう)

精密機械である補聴器は、ほこりや汚れに敏感です。

土がついた手で触れたり、砂誇りがたつような場所で使用したときは必ず、それ以外は適度に乾いた布やブラシなどで払うようにしてください。

電池交換(電池残量が少なくなった時行う)

補聴器は電池を電源にして機能しています。電池も湿気に弱い部品ですので汗や雨などがついた場合すぐふき取ってください。

電池の寿命は、補聴器の種類や電池の種類によって異なりますが、聞こえがしにくいと思いましたら早めの電池交換をお勧めしています。

交換のする時は新しい電池のシールをはがし、ほこりなどで空気孔を塞ぐことがないようにしましょう。

精密点検・精密清掃(ご購入したお店に申し出てください)

補聴器の点検・分解掃除(オーバーホール)を定期的に行うことで、故障の防止や補聴器の寿命を延ばすことができます。

できれば3ヶ月に1度ぐらいの頻度で購入したお店で点検してもらい、1年に1度くらいの頻度で分解掃除すると安心です。

そもそも補聴器の寿命はどのくらいなのか?

一般的に補聴器の寿命年数は約5年といわれています。

値段の割には長持ちしない物だと感じる方もいらっしゃると思いますが、補聴器の過酷な使用環境を考えますと無理もありません。補聴器は常に身に着けている医療機器になりますが、精密機械でもあり、水分(湿気)・ほこり・衝撃に弱いです。

必ずしも、5年で壊れる・使用できなくなるということはありません。

あくまで、メーカーが発表している耐久年数になります。ここらはほかの家電製品にもついております。

メンテナンスでなぜ寿命が延びるのか

補聴器に限らず機械類は新しい状態の時が最高のパフォーマンスを発揮します。

使いはじめ年数が経つごとによって経年劣化等によりパフォーマンスが低下していきます。その原因は部品の摩耗・汚れの蓄積・衝撃による損傷など様々なものが考えられます。

その為、メンテンナンスを定期的に行い、これらの要因を取り除くことによって、新品に近い状態を維持することで寿命を延ばすことができるようになります。

その為、丁寧に扱うことを心掛け、上記のメンテナンスを行うことをお勧めします。

故障について

故障の原因には様々なものが考えられます。その中でも主に故障の原因になるものをご説明します。

使用環境による故障

補聴器は水分に触れたり湿度の高い場所で使用したりすると故障することがあります。台所、洗面所などでの使用する時には注意しましょう。

汗による故障

耳かけ型補聴器は耳の後ろに流れる汗の影響を受けやすく、汗が機器本体の内部に染み込み部品を腐食させてしまうことがあります。乾いた柔らかい布でこまめに拭き取るようにしましょう。

耳あかによる故障

耳あかが音の通過経路に詰まってしまう事で起きる故障です。聞こえづらいときはブラシなどで掃除をすると再び聞こえるようになります。

衝撃による故障

補聴器を落とすと大きなダメージがあります。メーカーは開発している段階で落下試験等を実施しますが、やはり衝撃は与えないにこしたことはありません。補聴器を落とさないように注意しましょう。

劣化による故障

補聴器のマイクやレシーバーに使われているゴム製やウレタン製の部品は年数が経つことで摩耗劣化を起こしやすくなります。購入したお店で定期的に点検するようにしましょう。

結露による故障

気密性の高い家では、冬になると室外と室内の温度差によって結露が生じることがあります。同じように補聴器でも、耳の中と補聴器に温度差が生じ、結露が発生する場合があります。その影響で音質などに影響が出てしまう事がありますので、その場合はお店で点検を受けることをおすすめします。

故障の種類

故障の種類によっては補聴器にいろいろな症状がおこります。症状を確認することで、不具合や故障の原因を見つけることができます。

音が出ない

肝心の音が出ない場合は、マイク、イヤホン、アンプ、電源のどれかまたは複数の箇所に故障が起きている可能性があります。

音が小さい

ボリュームを上げているにもかかわらず音が小さい場合は、マイクにゴミが詰まっているか、イヤホンに耳あかなどが詰まっているかです。そうでない場合は補聴器本体の故障の可能性があります。

音が割れる

聞こえる音がバリバリして、聞き取りにくくなることがあります。これは主にイヤホンの故障です。補聴器専門店には音の測定器がありますから、それで音の歪み率を調べてもらうとよいでしょう。

異音が聞こえる

パチパチ、ザーザーという余計なノイズが発生する場合は、マイクの故障、アンプの故障、イヤホンの故障のいずれかが考えられます。なかでもマイクは繊細にできているため壊れやすい傾向にあります。

電池寿命が短すぎる

1週間くらい持つはずの電池が1~2日でなくなり、補聴器が使えなくなる状態です。これは間違えて使用済みの電池を装填したか、電池の空気孔が何かで詰まったか、補聴器本体に故障が起きたか、いずれかになります。

スイッチが作動しない

補聴器のスイッチやボリューム調節を煩瑣に使うと作動しなくなる場合があります。スイッチやボリュームの部分をチェックしてほこりや汚れがなければ、その部分に故障が起きている可能性があります。

故障した際の対応

上記のような症状が出た場合は、購入したお店に相談してみましょう。その場で直るものもあれば、メーカー修理に出さなくてはならないものもありますが、いずれにしても解決が期待できます。補聴器は大事な体の一部です。不具合が感じられたら早めに対処しましょう。

本当に故障?

故障と決める前のチェック事項

故障と断定する前に、かんたんなチェックをするようにしましょう。補聴器は繊細な機械ですから、ほんのささやかなことで不調になることもあります。よく確認してからお店に相談しましょう。

音が聞こえない場合

  1. 電源はしっかり入になっているか
  2. 電池の残量はあるか
  3. 電池は正しく装着しているか
  4. ほこりが詰まっていないか
  5. チューブに異物が入っていないか

音が小さい場合

  1. ボリュームを上げ忘れていないか
  2. 電池の残量はあるか
  3. 音の出る箇所にゴミが付着していないか

ハウリングを起こす場合

  1. 補聴器は正しく装用されているか
  2. ボリュームが上がりすぎていないか

音がゆがむ場合

  1. 電池の残量はあるか

こまめにメンテナンスしていれば未然に防げる故障は多くあります。補聴器は日頃から丁寧にお手入れするようにしましょう。もし不具合を感じたら大事に至る前に補聴器店に持参して調べてもらうことをおすすめします。

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