補聴器の長期レンタルで損する人得する人

補聴器

名前の通り長期的に補聴器を借りるサービスが、「長期レンタル」です。

月額3,000円から補聴器を長期的にレンタルすることが可能。補聴器の最低販売価格が約5万円ということを考えると、初期費用一万円で始められる長期レンタルは非常に魅力的なサービスです。金額的なハードルをぐっと下げて補聴器がある生活をスタートできるのですね。

ただ、長期レンタルを利用する方の中には損をする人もいるってご存知ですか?実は、長期レンタルは補聴器について知識がないと、購入した方が安くついたなんて事態になりかねません。そんな事態を避けるためにも補聴器の長期レンタルについて詳しく把握しましょう。

今回認定補聴器技能者の資格をもつ私が、長期レンタルと短期レンタルの違い、価格、おすすめする方しない方をご説明させて頂きます。ここを見て頂くと納得する価格と種類の補聴器をレンタルすることができますよ。

最初に、長期レンタルのシステムについて改めてご説明します。

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監修者
wada
和田 怜(わだ れい きこえのお助け隊
認定補聴器技能者の資格を持ち、現在はスタッフを束ねるリーダーとして活躍しています。過去に多くの補聴器使用者と接してきた経験を活かし、皆様に信頼できる情報を提供いたします。使用者の方だけでなく、その周囲の方も含め、補聴器に関わる全ての方がより快適になるよう努めています。

<目次>

  1. 補聴器レンタルの長期と短期の違い
    1. 長期レンタル店舗比較
  2. 長期レンタルの一長一短
    1. 長期レンタルのメリット
      1. 初期費用が低額
      2. ゆっくりと補聴器に慣れられる
      3. いつでも解約ができる
    2. 長期レンタルのデメリット
      1. 購入した方が安い場合がある
      2. レンタル料金以外の支出
      3. 器種、種類、メーカーに制限がある
      4. 解約可能期間と自動契約更新
      5. 国や自治体の補助や助成金制度は利用できない
    3. 長期レンタルと購入の違い
  3. 【まとめ】補聴器レンタルで得するのはこんな人

補聴器レンタルの長期と短期の違い

※弊社は、補聴器の長期レンタルはお取り扱いしておりません。短期レンタルは取り扱いしておりますので、ご希望の方は「きこえのお助け隊のレンタル」からどうぞ!


冒頭でもご説明しましたが、長期レンタルは補聴器の貸し出しを長期間にわたり受けられる定額制のサービスです。器種やグレードにもよりますが、約6000円で両耳の補聴器を長期レンタルできます。

これには補聴器店のサービスである点検や調整費用が含まれています。店舗によっては、電池も含まれていることがあります。サービス内容は店舗ごとに違いますので、下記は参考程度に御覧頂ければ幸いです。

長期レンタル店舗比較

店舗 長期レンタル価格 備考
大型眼鏡A店 4,000円 有名ブランドの補聴器をレンタルできる
大型眼鏡B店 3,300円~11000円 グレード別の補聴器をレンタルできる
個人補聴器C店 7,000円 箱型(ポケット型)のレンタルも可能。

また、長期レンタルには別に1週間から1ヶ月の短い間で補聴器をお試しできる短期レンタルというのがあります。短期レンタルは補聴器の購入を検討されている方に販売店が提供しているサービスです。購入前に補聴器のある生活を体験して貰う試し期間です。

そのため、短期レンタルは無料から7000円と低価格で設定されていることが多いです。基本的に補聴器販売店のレンタルといえば短期のことなので注意が必要になります。

長期

種類 内容 期間 値段
短期レンタル 販売を前提とした貸し出し 1週間~1ヶ月 無料から7000円
長期レンタル レンタルというサービスの提供 2ヶ月以上 月額3300円~

長期も短期も補聴器を借りる点では一緒ですが、長期は「貸し出し」短期は「お試し」ということ。最終的には、補聴器を購入するかどうかに違いがあります。

補聴器の値段は最低でも5万円は必要で、長期レンタルは月額6000円です。金額がネックでなかなか補聴器を始められない方に魅力的なサービスが長期レンタルになります。

ただ、長期レンタルはメリットだけでなく、デメリットも把握して上で長期レンタルを申し込むことがおすすめ。きちんと、補聴器に関する知識がなければ長期レンタルを有効活用することができないのです。

そこで、次に長期レンタルのメリット・デメリットをご紹介します。

長期レンタルの一長一短

メリットデメリット

長期レンタル
全体費用 月額:3,000円~110,00円×希望するまで
初期費用 月額料金の数か月分を前納
使用期間 解約可能期限から希望するまで
所有権 無し
公的補助 有り
メリット 初期費用が低額
いつでも解約できる
じっくりと補聴器の聞こえに慣れられる
デメリット 修理紛失費用を支払う必要がある
月々の支払いが補聴器の販売価格以上になる
リースできる器種が限られている
公的な助成金制度の申請が利用できない

長期レンタルには上記のような特徴があります。最初は長期レンタルのメリットについてご説明します。

長期レンタルのメリット

メリット

長期レンタルのメリットは次の通りです。

・初期費用が低額
・ゆっくりと補聴器に慣れられる
・いつでも解約ができる

次で上から順にご説明します。

初期費用が低額

長期レンタルは、初期費用を低額で始められるのがメリットです。補聴器を購入するとなると、最低でも片耳約5万円、両耳だと10万円は必要。

多くの方がこのメリットから長期レンタルを希望します。下記の例だと、約17分の1まで初期費用を抑えることが可能ですね!

長期レンタル 購入
月額3000円(両耳)コースの申込
定額3000円×前納2ヶ月=初期費用6,000円
5万円×両耳=10万円

※店舗の契約によって変わります。※補聴器は非課税商品です。
このように、長期レンタルは初期費用を最小限に抑えて補聴器を始められるのが最大のメリットです。

ゆっくりと補聴器に慣れられる

長期レンタルを利用することで、補聴器にゆっくりと慣れることができます。補聴器を購入した方の中には、補聴器の音に慣れることができずやめてしまう方もいらっしゃいます。

最初は、生活音が急に聞こえるようになりうるさいと感じたり、補聴器の手入れをしたりと煩わしく感じるもの。長期レンタルであれば、ゆっくりと補聴器に慣れていくことができます。

また、どうしても慣れることができず止めてしまっても、金額的支出は購入よりも低額ですみます。

いつでも解約ができる

長期レンタルは、所定の期間を過ぎればいつでも解約することができます。基本的に契約から2.3ヶ月ほどで解約が可能。通院期間のみ使いたい方や高齢のためいつまで補聴器を使えるか不安という方に便利です。中期的に利用にも長期レンタルはおすすめです。

以上、長期レンタルのメリットでした。金銭的負担が気になる方だけでなく、補聴器に慣れることが不安という方にもおすすめ。嫌になれば使用をやめてしまっても良いのです。意外と知らなかったメリットもあったのではないでしょうか?

さて、次にデメリットについて触れていきましょう。光がある所に影があるよう、メリットにはデメリットもあります。長期レンタルのデメリットを把握しておかないと、想像した以上に金額を支払うことになったり、本来受給できる補助金が受けられなくなったりすることも…。

次で、デメリットもきちんと把握しておきましょう。

長期レンタルのデメリット

デメリット

長期レンタルのデメリットは次の通りです。

・購入した方が安い場合がある
・レンタル料金以外の支出
・器種、種類、メーカーに制限がある
・解約可能期間と自動契約更新
・基本的に国や自治体の補助や助成金の申請ができない

次で、上から順にご説明します。

購入した方が安い場合がある

長い目で見れば、購入した方が安い場合があります。月額の代金が、レンタルしている補聴器の販売価格より越えてしまう場合ですね。

例えば、本体価格5万円の補聴器を月々3,000円でレンタルしたとします。両耳にすると10万円。下記のような計算式になります。

購入

100,000円÷3,300円=30.3
30.3÷12ヶ月=2.53年

上記のように、約2年半レンタルもすれば本体金額になるのです。購入と同じ金額を支払ったのにも関わらず、最終的に何も手元に残らなかったら損をした気持ちを持つ方もいらっしゃいますよね。

そのような方は、何年使用すれば販売価格を越えるかを事前に確認しておきましょう。

そして、損になる前に解約または乗り換えすることがベスト。または、サービスにお金を支払いしていると割り切った気持ちをもっておくことも大切です。

レンタル料金以外の支出

支出

実は、長期レンタルには貸し出しサービス以外にも料金が必要です。それが次の3つ。

・消費税
・引き落とし手数料
・修理費

上記はどれも必要に感じますが、購入の場合は必要のない支出もございます。次に上から順に詳しくご説明します。

消費税

消費税

実は補聴器は非課税商品なので購入の場合は税金の支払いは必要ありません。一方で、補聴器の長期レンタルはサービスにお金を支払うので消費税が必要。

月額3000円の補聴器であれば300円です。毎月300円~1000円ほどですが、購入とは違いサービスとして還元のない支払いがあります。

引き落とし手数料

手数料

基本的に、長期レンタルは銀行引き落としが一般的です。銀行引き落としは引き落とし手数料が必要となります。

大体は、店舗側が引き落とし手数料を負担しているところが多いようです。しかしこれは、直接お客様に請求するか、月額料金込みの料金設定にされていかといった見え方の違い。

そのため、消費税と同じくこちらもサービスに還元されない出費のひとつです。

修理・紛失

修理

補聴器が故障した場合は修理費が発生します。こちらは、購入した場合も同様ですね。近年の補聴器は超小型です。

ほとんどが耳の穴や裏に隠れてしまうサイズになります。ただ、小型が故に紛失や壊してしまうお客様も少なくありません。


基本的に自然故障であれば、補聴器本体に保証がついているので無料修理が可能。ただ、使用中の破汚損や紛失に関しては保証外です。レンタル料金に加えて修理費用が必要になります。

レンタル代金と修理費用のダブル請求となるのです。

そのため、修理や紛失の際は支払いが重なることは念頭に入れておきましょう。

以上、月額料金以外の支出でした。どれも長期レンタルにはかかせない出費です。

ただ、「手元に残らないものに支払いするのはちょっと…」というお悩みがある方には長期レンタルはおすすめしません。短期レンタルから自分の補聴器を購入されることがおすすめです。

器種、種類、メーカーに制限がある

制限

基本的に長期レンタルできる補聴器の種類は決められています。ただでさえ長期レンタルを取り扱いしているメーカーは少ないもの。その中から希望するメーカー、器種、種類を探すのは至難の業です。上から順にご説明します。

メーカー

シーメンス

GNリサウンド

レンタルできる補聴器のメーカーが決まっています。大手眼鏡店ではシグニア(シーメンス)やGNリサウンドの取り扱いが多いです。

グニアもGNリサウンドも世界屈指の補聴器メーカー。希望メーカーがない方であれば、シグニアとGNリサウンドはおすすめです。聞こえ改善効果を発揮します。詳しいことを把握したい方は「補聴器メーカーについて」をどうぞ。

器種

長期レンタルできる器種(シリーズ)はある程度決まっています。基本的には最新の、一世代か二世代前の器種です。最近の補聴器は小型化も進み、随分性能も良くなっているので一世代前の器種でも問題ありません。

だた、電池を使用しない充電式補聴器やAI機能を最新の補聴器などを貸し出している店舗は少ないです。希望器種がある方は、希望する補聴器を取り扱っているお店の短期レンタルを利用しましょう。

種類

耳かけ型耳あな型

レンタルできる補聴器の種類はほとんどが耳かけ型と耳あな型です。まれにポケット型の長期レンタルを行っている店舗もあります。

ただ、基本的にレンタルできるのは耳かけ型と耳あな型です。骨伝導を利用したメガネ型や片耳難聴の方がご使用されるクロス補聴器も基本的にレンタル不可になります。こちらもまた、長期レンタルは眼鏡型やクロス補聴器を希望している方には不向きです。

※ちなみに、骨伝導を利用した集音器があります。興味がある方は「補聴器機能を搭載したワイヤレスイヤホンをどうぞ。※骨伝導補聴器は伝音性難聴の方に有効な補聴器です。ご使用の際は必ず耳鼻咽喉科に受診をお願いします。


上記のように、長期レンタルは借りたい器種や種類、メーカーが限られています。「本当に使ってみたい器種がある、メーカー」があるという方はこちらもまた短期レンタルをおすすめします。

解約可能期間と自動契約更新

契約

2.3ヶ月は基本的に長期レンタルを解約することができません。長期レンタルを希望される方には何も問題がないように感じますよね。ただ、注意が必要なのが様々な器種を検討したい方です。

これはというもの、比較時には2.3ヶ月前のきこえの聞こえを思いだす必要があるためです。2種類であればすぐに比較できますが、解約縛りから3種類以降は最低でも2ヶ月まで記憶を遡る必要があります。数か月前のきこえを鮮明に思い出すことは難しいです。

また、契約が自動更新されるのもポイント。契約者が、事故や入院などで補聴器が使用しない状況でも延長されるということです。また、販売価格を越える前に解約にいく必要があります。そのため、長期レンタルはこまめに契約と解約を行える人ではないとおすすめしません。

国や自治体の補助や助成金制度は利用できない

補助金

ここまで御覧頂いた中には、健康保険や介護保険が使用できず長期レンタルを調べていた方もいらっしゃいますよね。実は、補聴器の購入には公的な補助があります。

公的な補助・助成金の条件は購入をすることが前提。基本的にレンタルには適応されません。ちなみに公的補助制度は下記の通りです。

・障害者総合支援法

・各市区町村独自の支援制度

各制度の受給には条件があります。多くは、補聴器相談医の聴力検査と市区町村への申請です。詳しくは「補聴器購入に対する補助や助成金制度について」をご参照して頂ければ幸いです。

以上、長期レンタルの一長一短をご説明しました。下記の表で長期レンタルと購入の違いをまとめましたので参考にどうぞ。

長期レンタルと購入の違い

※スマホの方は横にスクロールできます。

長期レンタル 購入
全体費用 月額:3,000円~110,00円×希望するまで 機種代:約5万円~約60万円
初期費用 月額料金の数か月分を前納 ※本体代金一括
使用期間 解約可能期限から希望するまで 次の補聴器を買い替えるまで
所有権 無し 有り
公的補助 有り 無し
メリット 初期費用が低額
いつでも解約できる
じっくりと補聴器の聞こえに慣れられる
マイ補聴器として所有できる
国や自治体の補助金制度を利用できることがある
購入後の面倒な手続きをしなくて良い
デメリット 修理紛失費用を支払う必要がある
月々の支払いが補聴器の販売価格以上になる
リースできる器種が限られている
公的な助成金制度の申請が利用できない
※補聴器本体代金をまとめて支払う必要がある。
気軽に補聴器を買い替えることができない

※補聴器店によってはローン(分割払い)もあり

最後にここまでのまとめとして長期レンタルをおすすめする方をご紹介します。

【まとめ】補聴器レンタルで得するのはこんな人

まとめ

さて、最後に今までのまとめとして、長期レンタルでお得になる方、購入の方がお得になる方をご紹介します。下記の通りです。

得する方:契約内容をまめにチェックできる方、レンタルする補聴器の知識がある方
損をする方:面倒な手続きが嫌な方、何でもいいから補聴器を使用してみたい方

マメで補聴器の知識がある方は長期レンタルがベスト。自分が損をしない補聴器を損しない期間で借りることができるからです。一方、定期的に契約を見直せず、補聴器に関する自信がない方は短期レンタルを利用して補聴器を購入することをおすすめします。

購入することで、マイ補聴器として大切に扱いますし、契約や期間に縛られずらくに使用することができます。弊社では長期レンタルはありませんが、短期レンタルの取り扱いはしております。

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