補聴器で聞こえる音は、原音を加工して出力しているのでテレビやラジオの音声のような機械的な音で再生されています。そのために直接自分の耳で聞いている音の聞こえ方とは微妙に異なるので違和感を伴う方がいます。
特に初めて補聴器を使って聞いた場合は多くの方々が自分の声や今まで気にしなかった小さな生活音が強調されて気になる場合が多いです。
どうしてそうなってしまうのか?
違和感をなくすためにはどうしたらよいか説明したいと思います。
補聴器もテレビやラジオ、電話機のようにスピーカーから音が出る機械です。
「補聴器のしくみ」でも説明しましたが、補聴器は難聴者が聞こえ足りない音を大きくして聞こえやすくしています。そのために、今まで気にならなかった小さな生活音も大きく聞こえるようになり、使い始めは騒がしく感じる場合もあります。
それは難聴者が聞きたい音ばかりがはっきりと聞こえればよいのですが、聞き取りにくい会話の音の成分(周波数)には聞こえなくてもよい生活音や自分の声などに含まれる成分(周波数)もあるために起こってしまうのです。
また、自分の声が録音して聞いた時のような聞こえ方をする違和感も機械を通して聞く事によって起こる場合があります。
補聴器によって強調される生活音の具体例
補聴器にから聞こえる生活音は、原音で聞いた時と異なる場合が多々あります。
具体的にどのような生活音が強調されて聞こえるのか記していきます。
家の中での具体例
- エアコン、ファンヒーターの吹き出し口か出る風の音。
- 換気扇や扇風機のモーター音
- 廊下を歩くスリッパの音
- 食器を洗ったり重ねたりする音
- 揚げ物や炒め物を調理している音
- 新聞紙やチラシ広告をめくる紙の音
- 買い物袋やごみ袋を触った音
- 水道を出した時やトイレの水を流す音
- 食事中の咀嚼音(おせんべいや漬物など特に固いものをかんだ時)
など
屋外での具体例
- 風の音
- 木の葉のざわめき音
- 鳥のさえずり、カラスの鳴き声
- 砂利を歩く音
- ほうきで掃き掃除する音
- 子供たちの遊び声
- 自動車やバイク、電車の走行音
- 他の人のざわめき声
- 運転中のウインカーの音
- 習い事で教本や資料をめくる音
など
この他にも様々な生活音が強調される場合があります。最初は静かな室内での短時間の使用から、その音が何の音なのかを確認しながら使用すると気にならなくなったり慣れてきたりもしますが、補聴器の調整によって改善ができる場合もありますので、補聴器が合わないとあきらめる前に、まずは購入した販売店に相談をお勧めいたします。
その他
- 耳に装着する時のピーピー音
- 補聴器自体から発生する再生ノイズ(サー、ジャー、ガーなど)
など
補聴器を通して聞こえるというよりは、補聴器を使うときにおこる雑音の可能性があります。
最近の補聴器はピーピー音を抑える調整や製品の改善によって少なくなっていますが、うまく耳に装着できていない場合や、耳栓や耳型のサイズが合っていない場合もありますので、こちらも購入した販売店に相談してください。
最近の補聴器は技術の進歩によってどんどんと高性能の補聴器ができて自然な聞こえに近づけるようにいろいろな機能が搭載されていますが、直接耳で聞いた時の音との違和感が残る場合もまだまだあります。
まずは適切な調整をしてもらい静かなところで短時間の使用から始めて徐々に鳴らしていくリハビリが必要と理解して慣れていくことが大切です。
「聞こえのお助け隊」では購入前のご相談はもちろん、購入後の補聴器の練習方法から慣れ具合に応じた」再調整まで全てご自宅まで無料出張して対応しています。
購入後のアフターサービスがご心配な方に大変喜ばれておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。