基本的に一般的な補聴器は健康保険や介護保険の適応外です。ただ、健康保険が適応され聴力を回復する方法があります。
人工内耳とは
人工内耳とは耳の奥にある内耳(蝸牛)に細い電極を挿入し、超神経を直接刺激して聴力を改善する人工臓器の一つです。 手術で耳の奥に機械を埋め込み、頭部にマイクを取り付けて音を聞きます。
音を聞く仕組みは、頭部のマイクが音を拾いデジタル(電気信号)に変換し、取り付けた電極で内耳に送り音を聞きます。頭部に取り付けるマイクは耳かけ型補聴器に似たものが一般的ですが、最近では後頭部に取り付けるコイル一体型も製品化されています。
人工内耳は日本で年間1000人ほど利用されています。
対象者
人工内耳は、補聴器の効果がほとんど認められれない90デシベル以上の感音性難聴などの条件を満たした方が対象です。90dB以上の音は、工事現場の騒音や電車の通過音や自動車のクラクションなどが挙げられます。
90㏈以上の音が聞こえない場合は重度難聴に該当し、補聴器では聴力の改善はまず望めません。
手術について
人工内耳の手術は2〜3時間ほどで、約1週間で退院することができます。 手術自体は下記の手順で行われます。
①耳後部を切開します。
②インプラントを埋め込むために側頭骨を手術器具で薄く削ります。
③インプラント本体で側頭骨を固定します。
④蝸牛に小さい穴を開け、電極アレイを挿入します。
⑤電極の動作テストを行い、傷を縫合します。
手術後1〜2週間で音入れと呼ばれる音の聞き取り訓練とマッピングをします。 音入れとは人工内耳を介して音を聞くことです。音入れすることで聞こえのトレーニングを行います。
マッピングとは人工内耳に送る電気レベルを調整することです。術後は頻繁にマッピングを行う必要がありますが、安定すると年に数回で大丈夫です。
人工内耳の料金
人工内耳は平成6年から健康保険の対象になりました。 人工内耳は総額400万円ほどかかるため、健康保険だけではなく高額医療制度も同時に利用します。(人工内耳約260万円、手術代金約40万円、入院費が約100万円)
健康保険と高額医療制度の両方で、実際の支払い額は約1万円から約10万円まで下がります。 詳細は医療機関におたずねください。
以上、保険が適応される補聴器についてご説明しました。
基本的に一般的な補聴器は健康保険や介護保険の適応外になります。 自治体で独自に助成金制度などを行っていることがありますので、詳しくは「補聴器は保険の対象?購入時の給付制度についてご紹介!」をご参考にして頂けますと幸いです。