補聴器の小型化と性能の進化には目まぐるしいものがありますが、その一方で補聴器に対するハードルが上がっているように感じます。
機能が多ければ操作方法も複雑になり、小さくなるほど操作や手入れが難しくなります。
日常をほとんど一緒に過ごすものだから補聴器を気軽に使いたいですよね。
そこで今回、簡単な補聴器について認定補聴器技能者である私が簡単な補聴器の種類、選び方、簡単に使えるおすすめ器種までご説明します。
簡単と言えばポケット型補聴器
とにかく簡単な補聴器が欲しい、そんな方はポケット型補聴器がおすすめです。
ポケット型補聴器は上着の胸ポケットに本体をいれる、または首から吊り下げて使用する補聴器です。耳栓と本体とはコードで繋がっています。音楽プレイヤーやラジオにも形が似ていて箱型補聴器とも呼ばれます。
ポケット型補聴器のおすすめポイントは次の通りです。
・単三電池で取り換え簡単
・ボタンが大きく音量操作は簡単
ポケット型補聴器は本体が大きいので装着と操作がとにかく簡単です。機能もシンプルものが多くボタンも少ないので操作に悩むこともありません。そしてポケット型の多くが単三電池を使用しているので電池交換も簡単。
装着・操作・手入れといった簡単3拍子が揃っているのがこのポケット型補聴器なのです。
ポケット型補聴器は「簡単」がデメリットになる場合も
しかし、大きく操作が簡単ということは持ち運びが難しいというデメリットの裏返しでもあります。
ポケット型補聴器は本体が大きいので、かがめば落下したり、耳まで伸びたコードをどこかに引っ掛けたりする恐れがあります。
また、音を拾うマイクが胸ポケットにあるので、本来耳で聞いている音と違う、衣ずれの音を拾うなどといったこともポケット型補聴器を使用する上で注意しておかねばなりません。
ポケット型補聴器をおすすめする人
メリット・デメリットを踏まえてポケット型補聴器をおすすめする人は、次のような方です。
・ご自宅内や会議など一場面で使用したい
・あまり移動しない
・補聴器に高度な聞こえを求めていない
ポケット型がご使用者の生活に合わない場合、耳かけ型または耳あな型を検討することになります。
次で耳かけ型と耳あな型の中から簡単な補聴器を選ぶポイントをご紹介します。
耳かけ型と耳あな型から簡単な補聴器を選ぶポイント
耳かけ型と耳あな型は膨大な数の器種が販売されていて、どの補聴器にしようか悩んでしまうかもしれません。
次の3つのポイントを抑えて頂くと耳かけ型と耳あな型の中から簡単な補聴器を選べます。
・耳あな型は装着が簡単
・新器種ほど自動調整で簡単
・電池式より充電式が簡単
次で上から順にご説明します。
耳あな型は装着が簡単
耳かけ型と耳あな型を比較すると耳あな型の方が装着は簡単です。
耳あな型は名前の通り耳の穴に装着する補聴器で、本体のテグスを指でつまんで耳穴に装着をします。耳の型を採取するオーダーメイドが一般的で、使用者の耳にぴったりと装着できるので外れにくいです。
一方耳かけ型は本体を耳の後ろに装着し、チューブを眼鏡のように耳にかけて耳栓を耳にいれないといけませんので耳あな型と比べると装着が難しいです。
ただ耳かけ型も繰り返すうちに装着に慣れる方が多いので、悩まれたら購入前にレンタルされることをおすすめします。
新器種ほど自動調整で簡単
基本的に高性能な器種ほど周囲の音環境を分析する能力に長けていて、自動できこえの良い音に調整をします。つまり高機能な器種ほど操作の必要がなく簡単ということです。スマホ対応の器種ともなると、補聴器に触らず音量とプログラムの操作が行えるのでさらに簡単です。
ただし、スマホと補聴器を連携させるのにBluetoothやペアリングと言った知識が必要なので、苦手な方は購入した販売店か詳しい方に設定してもらうことをおすすめします。勿論、スマホと連携せずとも補聴器は標準的な聞こえが良い音へ自動で調整を行います。
電池式より充電式が簡単
補聴器は空気亜鉛電池と呼ばれる小さな電池を使用するため、電池の交換が難しいことがあります。そのため取り扱いが簡単な補聴器を希望されるのであれば充電式補聴器がおすすめです。
充電式なら電池交換がないばかりか電池をストックしておく必要もありませんし、購入に行く手間も省けます。以前は充電式と言えば耳かけ型ばかりでしたが、近年では耳穴型の充電式補聴器のラインナップも充実しています。
日常の手入れを簡単にしたい方に充電式補聴器をおすすめします。
きこえのお助け隊がおすすめする簡単な補聴器
弊社がおすすめする簡単な補聴器です。
Pure Charge&Go AX
シバントスのAXシリーズの充電式です。AXシリーズとは言葉と環境音を別々に処理する2つの頭脳をもったダブルプロセッサー補聴器です。
補聴器が聞いた音を「言葉」と「環境音」に分け、独立したプロセッサーが別々に処理して明確なコントラストをつくります。同社の調査によると、参加者の100%が自宅環境での音声理解が優れているとの回答されたほど。
自動調整を行う簡単な補聴器が欲しい方はPure Charge&Go AXをおすすめします。
Insio Charge&Go 3AX
AXシリーズの耳穴型です。装着を簡単にしたいのであれば、こちらもおすすめ。Insio Charge&Go は2022年に「グッドデザイン賞」を受賞しています
まとめ
以上、簡単な補聴器をご紹介しました。
きこえのお助け隊では使用者の生活に合わせた簡単な補聴器をご提案しています。
気になる補聴器はレンタルして頂けますので、補聴器のご相談はきこえのお助け隊にお問い合わせ頂けますと幸いです。