「聞こえが悪くなったけど、本当に自分に補聴器が必要なのか不安…。」
「そもそも補聴器はどのような器械?」
上記のような疑問から、このページに辿りついた人も少なくないはず。今まで補聴器に関心がないと、分からないことだらけでなのではないでしょうか。
補聴器は、聞こえの悪い人に音を届ける器械ですが、ただ音を届けているだけではありません。実は、雑音と会話を判断し、処理しているのです!
今回、補聴器店のアドバイザーである私が、補聴器役割から仕組みまでご説明します。補聴器について知ると、改めて補聴器の役割を把握することができますよ。
最初に、補聴器についてご説明します。
難聴かも、と感じたら補聴器のご検討を!
難聴とは?
補聴器の役割とは、聞こえが悪い人に音を届けることです。聞こえが悪い人は、補聴器を装着することで日常生活の音を補うことができます。音を補うことで、家族との会話がスムーズに行え、車などの危険から身を守ることが可能です。
一般的に難聴とは、次の表に該当する人を言います。
難聴程度 | 平均聴力(㏈) | 自覚 |
軽度難聴 | 25~40dB未満 | 小さい声や騒音下の会話が聞き取りにくい |
中等度難聴 | 40~70dB未満 | 普通の会話が聞き取りにくい |
高度難聴 | 70~90dB未満 | 耳元の大きな声でも聞き取りにくい |
重度難聴 | 90dB以上 | ほとんど聞こえない |
上記に該当する場合、補聴器の装着がおすすめです。また、補聴器には種類があり、次の4種類から選ぶ必要があります。
補聴器の種類とは?
補聴器の種類は、難聴程度や生活によって違います。
あなたに合った補聴器を選ぶ際は、下記を参考にして頂ければ幸いです。
難聴から、おすすめ補聴器の種類を探す!
補聴器の種類は、次の4種類です。
・耳かけ型補聴器
・耳あな型補聴器
・ポケット型補聴器
・眼鏡型補聴器
次で、上から順に説明します。
耳かけ型補聴器
・難聴レベル 軽度~重度
・長所:音の調整力が高い、重度の難聴にも対応
・短所:やや目立つ、眼鏡の邪魔になる 汗に弱い
・金額:約5万円~約58万円(※片耳価格)
高度な機能をもった補聴器が欲しい人、難聴レベルが重度の方におすすめの補聴器
耳あな型補聴器
・難聴レベル 軽度~重度
・長所 目立ちにくい 眼鏡を頻繁に付け外しする人 スポーツする人
・短所 大きな音が出せない
・金額 約5万円~約40万円(※片耳価格)
目立ちにくい補聴器が欲しい人、スポーツをする人におすすめの補聴器
ポケット型補聴器
・難聴レベル 中等度~高度
・長所 操作が簡単 大きな音が出せる 簡単に使いこなせる
・短所目立つ コードが邪魔になる 衣ずれの音が気になる
・金額 約3万円~約8万円
補聴器の操作を簡単に行いたい人、少しだけ補聴器を使いたい人におすすめの補聴器
眼鏡型補聴器
・難聴レベル 軽度~中等度
・長所耳をふさがない
・短所 大きな音が出せない高度難聴には対応できない
・金額約18万円~約24万円
耳がふさがることが嫌な人におすすめの補聴器
以上、各補聴器についての説明でした。補聴器の役割は聞こえが悪い人に音を補い、届けることです。しかし、補聴器はただ音を拾い、補うだけではありません。最近の補聴器は音を分析し、処理を行っています。
補聴器が分析し、処理を行うことで、雑音を抑えた聞こえの良い音を聞くことができます。補聴器が音を処理する仕組みを、次で確認しましょう。
デジタル補聴器の仕組みとは?
現在の主流であるデジタル補聴器で、音を処理する仕組みを説明します。
補聴器が音を処理する仕組みは、次の通りです。
【マイク】音はマイクから補聴器に入ります。マイクは補聴器に入ってきた音を電気信号に変換する働きを担っています。変換された電気信号はアンプへと音を繋げます。
【アンプ】マイクから伝達された音はアンプによって処理され音を増幅し、内蔵された超小型コンピューターによって、音を電気信号へと作り変えます。また最近のデジタル補聴器は単純に音を増幅させるだけではなく音の強弱や方向感、不要な音を取り除くことにより使用者にとって適切な音へと変換しています。
【レシーバー】電気信号となって伝達された音は再びレシーバーによって音に戻し、鼓膜へと伝達され、ようやく音として使用者の耳に届きます。
上記の過程を経て、補聴器から音が聞こえます。音を電気信号に変換することで、従来のアナログ補聴器に比べ、飛躍的に音の調整機能が向上しました。
アナログ補聴器は、入ってきた音をそのまま増幅します。音は大きいのですが、雑音も一緒に増幅するので必要な音が聞き取りにくいです。また、音が大きいため、音割れしやすい特徴があります。ただ、難聴程度によっては聞こえが改善する場合があります。
デジタル補聴器は超小型コンピューターに、音を通すことで電気信号に変換します。電気信号に変換することで、音が会話なのか雑音なのかを判断することが可能です。デジタル処理により、聞こえの質が良くなりました。補聴器からの聞こえも良く、おすすめです!
次は、デジタル補聴器の基本機能についてご説明します。
補聴器購入時、たくさんの性能を見て戸惑うかもしれません。しかし、どれだけ高性能の補聴器も、一般的にはこの基本機能を発展させた補聴器です。基本機能を基に考えると、補聴器選びがスムーズですよ。次で確認しましょう。
デジタルの最新技術とは?
デジタル補聴器の基本機能としては、次の通りです。
・音の分析機能
・音を分割して処理する機能
・指向性
・ワイヤレス
次で、上から順に説明します。
音の分析機能
補聴器に入ってきた音が、会話音か雑音なのかを分析して処理を行う機能です。会話音は強調し、雑音は抑制します。
音を分割して処理する機能
音を分割することをチャンネルといいます。例えば6チャンネルとは、音を6分割して処理を行うことです。分割した音は1つ1つ確認して、雑音があれば抑制します。チャンネル数
が多くなるほど、音がなめらかで聞き取りやすいです。
指向性
指向性とは、特定の方向の音を聞きやすくする機能のことです。複数のマイクを使い、音の入る方向を分析します。例えば、会話中であれば、正面の音を集め、後方の音を抑えることが可能です。
ワイヤレス機能
ワイヤレス機能とは、外部機器と連携する機能のことです。ワイヤレス機能で、電話やテレビの音を直接補聴器で聞くことができます。最新の補聴器では、スマートフォンと連携することも可能となりました。
どの補聴器も、この基本機能を基にしています。一般的に、音の分析機能が高度、チャンネル数が多い、指向性の種類が豊富、ワイヤレス機能が搭載している補聴器は高性能です。
最新の補聴器の性能も、上記の基本機能が基となります。基本機能を抑えておくと、補聴器選びがスムーズなのでおすすめです!
以上、補聴器についてご説明でした。
最新の補聴器はデジタル化で、高度な音の調整が可能となりました。補聴器を装着すると、より聞こえる生活を過ごすことができます。
当記事があなたの参考となれば幸いです。